第14回リトッサ・グローバルファミリーオフィス投資サミット(ドバイ)、Bitcoin Associationによるまとめ

Greg Hall 460 x 488
By Greg Hall Published: 8月 26, 2021
14th Ritossa global family office investment summit speakers

2日間に渡り、ドバイで開催された第14回グローバルファミリーオフィス投資サミットには実業家、学識者、特にビットコインSVのブロックチェーンを大胆に活用し世界を変える期待に満ちたプロジェクトの開発者たちが一同に会しました。

Bitcoin Association創設者兼会長であるジミー・グエンがブロックチェーン・アズ・ア・サービス(BaaS)についての基調講演を行い、グエン自身とBitcoin Associationが先導する代表者らが多数のブロックチェーンに着目したパネルディスカッションで司会を務めました。これらのパネルディスカッションすべてで、特に商業とヘルスケアという、全く異なる分野でブロックチェーン技術によってもたらされ得る様々な価値が掘り下げられました。

ブロックチェーン・アズ・ア・サービス(BaaS)

ブロックチェーン・アズ・ア・サービス(BaaS)についての基調プレゼンテーションに始まり、グエンのブロックチェーンとビットコインSVがカンファレンス初日開会後、何度も取り上げられました。

グエンは、ビットコインを取り巻く熱狂のほとんどは現時点で投機的価値、または良くても「価値保存の手段」として使われている中、ビットコインにはその使い方を正しく学べば日常生活を塗り替える力があると指摘することから始めました。これこそが、ビットコインSVが取り組んでいることになります。ブロックチェーンの効用を、データの保存、管理、アクセスのためのものとして着目しています。

「データは、最も価値あるコモディティであり、多くの人々がデジタルエコノミーにとっての石油だと認識しています。」とグエンは述べています。

「世界を見渡すと、この事は明白であり、驚きに値します。毎日、3,060億通のメール、5億のツイート、インスタグラムでは9,500万枚の写真と動画が発信されています。意識したことはないかも知れませんが、この会場の皆さん一人一人が毎秒1.7Mバイトのデータを生み出しており、一日で250京バイトのデータが生み出されていることになります。」

これらのすべてには膨大な価値があるものの、この価値が価値となるには、より広範にビットコインとブロックチェーンのアクセシビリティが高まる必要があります。政府および企業がそこで提供される偉大な価値を理解できる必要があり、実務への取り込みにおけるビジョンを提示されることが必要です。ここで活躍するのがブロックチェーン・アズ・ア・サービスであるとグエンは述べています。

「ブロックチェーン技術はほとんどの企業と政府機関にとって、完全に理解し容易く実装するには複雑過ぎます。そのため、複雑な作業なしにブロックチェーンを簡単に日常で活用できるようにするため、ブロックチェーンと企業や政府での採用の橋渡しとなるBaaSインフラストラクチャープラットフォームが必要です。

グエンは、このアプローチが今まさにビットコインSV界で起こっていると指摘しています。SeafoodChainによるサプライチェーンを通しての海産物の追跡を可能したのと同じ技術が異なる状況で異なる事業者に活用されるよう、UNISOTの事業者向けサプライチェーンマネジメントプラットフォームが構築中となっています。あらゆるムーブがブロックチェーンに記録されユーザーがBSVを巡りプレイできる競争型ビデオゲームとして始まった「CryptoFights」は、今ではFYXと呼ばれるプラットフォームとなり他のゲームデベロッパーが容易に製品をビットコインSVブロックチェーンに統合できるようになりました。

これこそが、オープンかつスケーラブル、統合可能、相互運用可能なビットコインSVの物語であるとグエンは述べています。これこそが、本来目指した価値だけでなく、ビットコインSVを用いる他のプロジェクトの開発を支える柱となった成果に満ちたユースケースが生み出されている理由です。政府や企業にとって、ブロックチェーンに製品やサービスを統合させるのはこれまでになく用意になりました。

ブロックチェーン:より良い公共サービス、コミュニティ、そしてよりスマートな都市

「インフラストラクチャー」と言う言葉は、ブロックチェーンとビットコインSVに密接に関連しています。プロトコルとしてのビットコインSVは、データを活用する実質すべてのプロジェクト、言い換えればありとあらゆるものの礎となるポテンシャルを持つ重要な技術となっています。そうであれば、ブロックチェーン技術がどのように社会インフラを支えるインフラストラクチャーとなれるかに着目するのは自然な流れとなります。

グエンが司会を務めた最初のパネルでの着目点はここであり、ブロックチェーンが公共サービスとコミュニティを改善できるその可能性が掘り下げられました。社会はますますデータを生み出し、そしてデータに依存していくため、この問題への対処が必要です。2024年までには、世界には830億のIoTエンドポイントが存在することとなり、社会に遍在する膨大な量のデータがつなぎ合わされます。

パネルには、InvoiceMateチーフメイトであるムハマド・サルマン・アンジュム氏、サウジアラビアの聖都メッカのデジタル変革リーダーおよび戦略責任者であるアーメド・ユウシフ氏、nChain最高経営責任者であるデイブ・ウォシュバーン氏、アラブ首長国連邦人的資源・自国民化省AIアドバイザーであるSaeed Alhebsi氏、Transmira最高経営責任者そしてVR、AR、IoTおよびその他テクノロジーに関しスマートシティの観点からの収益化に着目したブロックチェーンプラットフォームであるOmniscapeの製作者であるロバート・ライス氏がグエンにより迎えられました。

政府関連職員と民間ソリューションの提供者の間でバランスの取れたパネルにより、ブロックチェーンによるより優れたコミュニティおよび公共サービスの開発に関する話題に多様な視点がもたらされました。

アーメド・ユウシフ氏は、サウジアラビアで取り組む、都市内また都市向けに開発下にあるブロックチェーンプロジェクトについて講演しました。

「サウジアラビアのメッカでは、一年を通しやって来る大変多くの人々のデータが存在します。非常に膨大なデータ量になります。しかし同時にこのデータは、以前はあまり活用されてきませんでした。」とユウシフ氏は述べました。

「最近になって、ブロックチェーンによるエコシステムの課題解決を検討し始めました。各種政府機関より9~10のサービスが提供されていますが、そのすべてが訪問者査証を得るなどの許可を必要とするものです。こうした政府機関のすべてにより、克服すべき課題が生まれました。」

「このエコシステムに活用できるプロジェクトとして、ブロックチェーンを検討し始めました。私は常に、デジタル・トランスフォーメーションへの道のりはデータを生み出しそのデータを用いて価値を作る技術を導入することで始まると話しています。短期間のプルーフ・オブ・コンセプトにより実現された価値は、物事のあり方を変えることになるものだと信じるに値するものでした。さらにブロックチェーンは、私達がサービスをより迅速、安全、透明なやり方で提供することに役立ち、またプロセス全体にインテグリティをもたらすものでした。

しかし、より優れた公共サービスを提供するためのブロックチェーンの活用法の中で最も重大な事例となるのはおそらく、デイブ・ウォシュバーン氏とnChainがビットコインSVブロックチェーンを用いてツバルで全国的に行う公共インフラストラクチャーの変革の取り組みであると言えるでしょう。このプロジェクトでは、決済インフラから国家の記録保存までありとあらゆるものを刷新する取り組みとなっています。

「この件において私達が考える当社のプラットフォームを採用すべき重要な理由の一つは、データの相互運用可能性にあります。サイロの中からデータを取り出し、複数の省庁が連携しあい、国民に関するデータの全体版が利用できるようにすることで、国家がデータをより良く理解しより優れた意思決定プロセスを構築できるようになります。」とウォシュバーン氏は話しました。

プロジェクトは大規模ながらも、ツバルの人口は少ないためnChainの取り組みはプルーフ・オブ・コンセプトとなることができ、変革可能かつ国家規模のデジタル化プロジェクトはブロックチェーンの使用で可能となることだけでなく、その取り組み方も体現したものとなっています。

暮らしと健康の改善

次のパネルでは、グエンの司会により健康、暮らし、そしてこの2つをブロックチェーンがどのように改善できるかについて着目されました。

世界中でヘルスケアの提供に関連するデータは、プライバシー要件によりほとんどの場合特別に保護されています。一方、同時に社会機能において広く依拠されるデータの種類となっています。結果として、ヘルスケアにおけるあらゆるイノベーションはデータが生まれた時点からそのインテグリティを守ることに懸念が生まれます。

サミットでの他のすべてのブロックチェーンのセッションと同様に、パネリストは単なるぼやけた期待的ビジョンではなく、実用主義と現実世界でのソリューションとなり得るべきであることを強調しました。

Hussain Al Mahmoudi王子は、Sharjah Research Technology and Innovation Park最高経営責任者、サールジャエンタープライズ・アメリカン大学最高経営責任者として講演しました。Technology and Innovation Parkのような政府関係者との取り組みには、ヘルスケアを含む様々な分野の確信的エコシステム構築があります。直近で取り組まれている、民間テクノロジープロバイダーが保健省と外部医療プロバイダーと密接な連携を始めたプロジェクトについて語られました。このプロジェクトではブロックチェーン技術が医療受益者の本人情報データ認証および連綿した医療履歴の保存に活用されており、医療プロバイダーによる単一で改ざんされることのない患者に関する医療履歴の参照が可能になり、同時に患者自身によるそのデータの管理と所有を可能にしています。

バーレーンのサルマン・ビン・ハマド・アール・ハリーファ皇太子プライベートオフィスCIOであるシドニー・ウィートリー氏は、オフィスが持つブロックチェーンのヘルスケアへの採用の関心について、次の通り述べています。

「ヘルスケアについては特に、解決できずに抱えられてきた多くの問題があります。例えば、自分自身のヘルスケアデータの可動性とセキュリティなどです。」

「これまで小さな部分しか解決されてきませんでしたが、今では大規模に展開できる方法で解決され得ます。」

データインテグリティプラットフォームVeridatの共同創設者兼マネジングパートナーであるフィリップ・ルニアン氏もパネルに参加しました。患者への医療提供における価値だけでなく、薬やその他治療の臨床試験の実行においても、データはヘルスケアにとって大変重要となります。

「薬物療法の実現は、長期に渡り膨大な努力が必要で、非常にコストのかかるものです。市場投入まで平均で約10年、そして10億米ドルかかります。」とルニアン氏は話します。

これだけの時間がかかるということはつまり、医薬品市場への製品投入で近道を辿ろうという動機につながります。不正のリスク以上に、膨大な量のデータが関係しているということは、データの管理実践が良くなければ費用がかかる上に取り返しのつかない結果につながります。ヘルスケアサプライチェーンにおける多様な関係者が治験のデータを認証するのに費やす時間と費用は、ブロックチェーンが提供できる単一かつ認証可能な情報源により大幅に削減することが可能です。

ステファン・ニルソン氏はUNISOTの共同創設者兼マネジングパートナーであり、パネルで同じく実際的な深みのある経験について共有しました。UNISOTは、ブロックチェーンで収穫から食卓までサプライチェーンに渡る海産物のデータを追跡するSeafoodChainプロジェクトの実績を広く認められています。

医療に関する専門性もまた、認められています。医師でありヘルスケアスタートアップの投資家であるRuchi Dana博士は、ブロックチェーンによるワクチン接種などのトラッキングと認証の多くのユースケースを第一線で目にしてきました。その他にも、患者が信頼できる唯一の情報源を持つことで、患者が対価に対して受けている医療をいかにより明確に把握できるようになるか、医療提供をブロックチェーンに結びつけ工場から処方現場までの医薬品の流れをトラッキングすることで医薬業界にはびこる偽薬を押さえつけられるかについて、などがあります。

ブロックチェーン:より良いデータでより良いビジネスに

ブロックチェーンはこのパネルでも議題となり、Bitcoin Associationヨーロッパ&オペレーションマネージャーであるパトリック・プリンツが司会を務めました。ここでは、話題がビジネスへと戻り、事業者によるデータ収集、管理、認証がブロックチェーンの活用により大幅に改善されるその可能性について議論されました。企業は、自ら使用するための膨大な量のデータを生み出すだけでなく、機能するために他のプロバイダーが持つデータにも依拠しています。事業におけるステークホルダーはこのデータに依拠し、従業員であれ、消費者であれ、その間に位置するあらゆる役職についての情報を得た上で判断をします。したがってブロックチェーンの提供できるものには、この点に関して大きな関連性があります。

プリンツにより、既出のInvoiceMateのムハマド・サルマン・アンジュム氏、そしてアラブ首長国連邦Global Blockchain Organizationの最高経営責任者であるヨルグ・セバスチオ氏、既出のnChainデビッド・ウォッシュバーン氏、ノルウェーのAbendumの最高技術責任者 (CTO)であるTorje Sunde氏が迎えられました。

ウォッシュバーン氏は、nChainなどの企業の功績によりいかにブロックチェーンが事業者にとっての多くのデータ管理方法に役立つかについて着目しました。

「ブロックチェーン上にデータを記録する際に最も重要になるのは、どのように構造化され、組織され、どのようにアクセスされ、どれだけの費用がかかるのかということがあります。nChainによる発明の一つにMetanetがありますが、ブロックチェーンのためのインターネットと捉えることが出来るものです。ブロックチェーン上のデータのための比較的複雑な階層性構造ですが、その核となる要素は、ビットコインSVパブリックブロックチェーン上に構造化する際、アクセス許可が実現していることです。これはデータに金銭的価値を与えるに当たり、欠かせない機能となります。」とウォシュバーン氏は話します。

「自分自身のデータであれば、アクセスは自由です。しかし例えば、そのデータのサブセットへのアクセスについて許可を与えることで対価が払われるのであれば、そのデータがアクセスでき、正確かつ透明であるようにするでしょう。」

企業に大きな価値を付け加えることも出来る、とAbendumのTorje Sunde氏は説明しています。企業監査における、よくある例が引き合いに出されました。様々な異なる場所に保管される会計記録について、外部からの認証を得るには時間がかかります。データのサイロからのデータの物理的な移動は管理上の大きな負担となるだけでなく、データが不意に漏洩したり紛失したりする脆弱性を生み出します。Abendumは、スーリング可能で費用対効果が高く、ブロックチェーンを簿記プロセスに取り込んだ三式簿記会計システムの開発によりこの問題を解決しようとしています。

各パネリスト自らの事業でのブロックチェーンに関する経験が共有されたあと、ディスカッションはブロックチェーン活用事業内に存在する障壁または優先課題に移りました。ヨルグ・セバスチオ氏は、明確な答えを持っています。

「今日私達の地域で重要なマイルストーンとなるのは、規制監督機関による受容であると考えています。地域のリーダーの一人が、ほぼ3年前に始まったサンドボックスでバーレーンに確かに訪れています。しかし今ではそれ以上のものはなく、我々はアラブ首長国連邦モニタリング及びコントロールセンター(MCC)とアブダビグローバルマーケット(ADGM)で類似したより高度な取り組みを行っています。不動産のトークン化、株式、ファンドなどであれ特にデジタル資産についてデータに価値を与えるのなら、、監督機関が必要になります。」とセバスチオ氏は話しています。

「まずはテクノロジーに何が出来るのかを理解する必要があるため、規制は後追いとなるものです。そして、そのテクノロジーは急速に発展していることを理解する必要があると考えています。もはや、デジタル資産を超えたものとなっているのです。」

アイデアを出そう!UNISOTのステファン・ニルソンとのベストアイデア考案

イベントで2つのブロックチェーンテーマのパネルをまとめたステファン・ニルソン氏は、サミットでの「ベストアイデア考案」セッションでアイデアの提案も行いました。選抜された実業家に、今後12~24ヶ月での優れた投資アイデアについて発表する時間が5分間与えられました。

「グローバルサプライチェーンで今日直面する課題と世界経済が過去7~10年で緊縮していることの理由は、今日の非効率的なサプライチェーンシステムにあります。」

世界で最も効率的なサプライチェーンを誇る日本ですら、サプライチェーンは20%未満の効率で稼働しています。これは、相互に連携できていない事業全体及びより広範な社会の各種システム間でのデータのまとまりの無さによるものだとニルソンは主張します。

UNISOTでは、すでにソリューションの構築を始めています。ブロックチェーンを用いて、完全な視認性と接続性を実現する分散型ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)プラットフォームで、単一、安全、スケーリング可能かつ信頼できる唯一の情報源によりサプライチェーンにおけるすべての人々をつなげるものです。ビットコインSVのスケーラビリティとスループット能力を活かし、UNISOTはサプライチェーンの中で生まれる、やがては食卓に上ることになるほんのわずかな種のように小さなあらゆる資産をトークン化しています。これにより、それぞれの資産がサプライチェーンを移動するに当たり価値あるデータとなるのです。食卓の海産物の一つをとっても、純粋なデータとしてその生まれ故郷となった養殖場までサプライチェーンをたどることができます。生産地、気温、重量など必要となり得るあらゆる情報の完全な記録が、公開記録として利用できるのです。