明日への投資

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By Alex Speirs Published: 2月 16, 2021
Sir Anthony Ritossa and Jimmy Nguyen

破壊的な可能性を秘めるブロックチェーン技術が事実上すべての業界を代表しているという認識が高まっていることを受け、当然のことながら、ビットコインSVおよびより広いエコシステムからビットコインSVを実証する企業がイベントに多数出席することによって、この議題はドバイで開催された第13回リトッサグローバルファミリーオフィス投資サミットで十分に取り上げられることとなりました。

アンソニー・リトッサ氏が主催し、アフメド・ビン・サイード・アル・マクトゥーム殿下の後援によって開催されたリトッサ・サミット は、超富裕層および彼らを代表する投資家らを迎え、参加者の総資産は4.5兆米ドルにも上りました。

3日間のイベント中、参加者はビットコインSVを活用する企業による様々なパネルやセッションに参加し、付加価値をもたらすテクノロジーの大きな可能性を示しました。パネルおよびプレゼンテーションはそれぞれ多彩な議題に焦点を当ててはいましたが、そこから浮かび上がった明確なテーマは 「さらなる改善」でした。「明日への投資」に関するサミットでは、テクノロジーが現状を改善する手段を提供するというビットコインSV代表団からのメッセージを発信しました。

 

スマートシティ

「ブロックチェーンを活用したより良いコミュニティ:スマートシティとモノのインターネット」と題したパネルでは、ブロックチェーン技術が近未来の都市で果たすべき役割に焦点が当てられました。

大手ブロックチェーン研究開発企業 nChainのビジネスサービスディレクターであるSimit Naik氏は、地理空間データに焦点を当てた大規模データ統合企業Geospockを1つの注目すべき例として取り上げました。

「ブロックチェーンが活躍する分野は、主に2つあります。まず、ブロックチェーンによりデータの整合性を維持するための非常に安全で透明性のある手段が可能になります。ブロックチェーンを使用して、地理空間データベース内に存在するデータの整合性を確保することができます。」とNaik氏は説明しています。

「次に、Geospockはイベントに関するデータを取り込みます。すべてのイベントは貴重な情報となる可能性があり、それらのイベント自体が他のイベントを誘発します。決済イベントはその一つであり、私たちがブロックチェーンを活用して行っていることは、決済レイヤーを追加することなのです。ビットコインSVによってマイクロペイメントを使用できるという事実は、すべてのイベントにつき、わずか数分の1セント以下で決済を行うことができるということを意味します。これにより、リアルタイムのイベントデータを使用したリアルタイムの決済が可能となるのです。」

「一例として、シンガポールにおいて道路センサーにより取得されたイベントデータの決済への使用例では、毎年の納税ではなく車の使用量に基づく従量制での課金が可能となっています。これらはすべて、ブロックチェーン上のディレクトリで直接リアルタイムに実行されます。」

体験型リアリティ(XR)開発企業 TransmiraからもCEO、ロバート・ライス氏がパネルに登場しました。Geospockと同様、Transmiraの主力製品 Omniscapeもまた位置情報データを活用していますが、この製品は商業ブランド、企業、スマートシティ向けの商業キャンペーンとエクスペリエンスを提供しています。

「私たちがいる環境には、データが豊富にあります。」とライス氏は言います。「私たちが『Transmiraで』行っていることは、データを起点に情報、知識、そして最終的にはエクスペリエンスへと進んでいくことです。」

 

データ管理

ブロックチェーン技術のアプリケーションについて語る際、頻出するすべての議論に共通する事項はデータです。そのため、続くパネルではコミュニティからビジネスへと焦点を移し、ビットコインSVのデータ管理機能がどのようにビジネス成果を向上させるかということについて議論が行われました。このセッションでは、ビットコインSVエコシステム全体からビジネスリーダー達を迎え、データ管理におけるブロックチェーン技術の応用について議論を行いました。

プロジェクトの1つに、UNISOTの Seafoodchainがあります。UNISOT のCEOであるStephan Nilsson氏がパネルに参加し、自身の企業を例としてブロックチェーンのデータ管理の適用について提唱しました。

「水産業界での現実は、デジタル化されているものがほとんどなく、多くの作業が手作業で行われているということです。」とNilsson氏は説明しました。

「水産業における業界ソリューションとなるのが、弊社のSeafoodchainです。弊社のサプライチェーン管理ソリューションでは、製品の品質を向上させ、製品の持続可能性と出所を証明するのに役立つツールを提供しています。」

サプライチェーンでは、すべてのリンクと関係者が関係し合うことによって大量のデータが生成されています。これは水産業で特に顕著ですが、事実上すべての業界に当てはまります。グローバルなサプライチェーンが時間の経過とともにより長く、より複雑になるにつれて更に顕著なものとなります。

「私たちは、魚卵のDNAから生育、水揚げ、解体、レストランへの輸送まで、サプライチェーンのすべての段階で情報を収集しています。」Nilsson氏はこのように説明し、ブロックチェーンベースのアプローチの二次的メリットについて話を展開しました。

「これらの仔細な情報を取得してブロックチェーン上に記録することで、サプライチェーン内の関係者がこの情報を収益化することもできます。」とNilsson氏は言います。

「温度、重量、場所などの仔細情報の売買が可能になり、サプライチェーンの他市場参加者への販売が可能になります。漁師は、魚の漁獲方法、時間、地点情報を収益化でき、これらの情報はすべてサプライチェーン全体で有益なものとなります。

nChainは、企業によるデータの更なる活用のため、産業におけるブロックチェーンソリューションの生成を支援しています。Naik氏は別の例として、有益な EHR Dataの推進におけるデータ管理能力についても話しました。ヘルスケア分野はおそらく、ブロックチェーンによって実現するデータ管理革命が最も多くの利益をもたらす分野です。

「『EHR Data 』プロジェクトにおける基本原則は、サイロを排除することでした。これにより、患者に関連するすべての医療情報について、信頼できる唯一の情報源を容易に入手できるようになります。次の段階として、収益化および患者自身の利益のためにデータの価値を高めていくことになります。EHR Data は、患者によるデータ所有、閲覧許可、世界のどこにいても医療機関とのデータ共有を簡素化します。」とNaik氏は説明し、次のように付け加えました。

「私たちは、21世紀で最も価値のある商品こそがデータであると考えています。」

 

より良い政府の構築

ブロックチェーンがこうしたソリューションを民間企業に提供できるなら、もちろん政府にも多くの同様のメリットを提供できるということになります。多くの場合、行政での管理はつまりデータの管理を意味します。理論上、政府が応対するのは一般市民であるため、取り扱うデータ量は膨大となり得ます。

司会を務めていたパネル「ブロックチェーンによるより良い政府」について説明を行いながら、Bitcoin Associationの創設者兼会長であるジミー・グエンは、「このパネルでは、主にブロックチェーン技術を開発している民間企業が政府機関と協力し、公共の利益に役立つソリューションを提供する方法について議論することを目的としています。」と述べました。「この分野の主要なブロックチェーン採用事例の多くは、政府によって推進されています。

Bin Zayed Groupの社長、Muhammad Salman Anjum氏はグエンに同意し、次のように述べています。 「エンタープライズブロックチェーン最大のユースケースは、公共部門で見られています。政府こそが、ブロックチェーンの恩恵を最大限に受けるのです。なぜかと言うと、信頼こそが必要とされるからです。信頼をもたらすものが、ブロックチェーンなのです。まさに理にかなった組み合わせと言えます。」

政府は市民のために多くのサービスを行っており、ブロックチェーン技術が恩恵をもたらし得る面が豊富にあります。同時に、大抵の場合政府は民間企業ほど機敏ではないため、抜本的な変化が必要となる場合には、そのプロセスは遅いものとなる可能性があります。

「小さなユースケース、次にIDなどの重要なユースケース、そして国の命運に影響し得るユースケースと段階的に物事を進める必要があります。」とAnjum氏は説明しています。

サウジアラビアのHoly Makkah Municipalityのデジタルトランスフォーメーションリーダー、Ahmed Yousuf氏がパネルに参加し、こうした革新に対する政府の見解を示しました。

「ブロックチェーンについて検討した際、短期的および長期的将来にもたらす可能性のある、日々の運用において直面している課題とビジネスの実務上の問題への効果を認識しました。」とAnjum氏は言います。

「問題の1つは、役人がブロックチェーンを『デジタル通貨』としてしか見なしていないことで、行政サービス提供のために活用するという考えに対抗してしまうことがあります。これへの対処として、『構造全体をよく検討し、問題のエコシステムとソリューションのエコシステムに基づきインフラストラクチャ全体を実装する方法を考える』ことを掲げ、ユースケースの導入を始めました。

 

持続可能な世界への鍵

同日の後半、グエンは持続可能な未来に向けた重要な推進力となるブロックチェーン技術を中心にした講演を行い、ビットコインSVエコシステムですでに基盤を築いている3つの企業ユースケースを紹介しました。

1つ目は、一連の気候データをブロックチェーンに直接記録できるプラットフォーム、Weather SVです。このデータは公開されており、長期に渡る気候および気象情報に関する世界的な情報源提供のために使用されるデータマーケットプレイスを生み、気象データの全体像を描くことを目的としています。

別の例として、Recycle SVは、持続可能性をビジネスとするスコットランドを拠点とするスタートアップ企業で、データを使用してリサイクルを奨励しています。同社のモバイルアプリは、社名と同じくRecycle SVと名付けられており、廃棄物の包装のバーコードまたはQRコードをスキャンし、リサイクル場で再度スキャンすることで適切に処理に持ち込まれたことを確認するものです。これによりリサイクルプロセスを取り巻くデータ経済が生まれ、意思決定者が判断に用いることができる指標が得られると同時に、リサイクルそのもののインセンティブとなります。

Predict Ecologyはオーストラリアのデータ企業で、ブロックチェーンを活用して様々な環境改善方法を研究しています。同社のプロジェクトの1つに、ケアンズで樹木にモノのインターネット(IoT)センサーを設置しデータを記録するものがあります。センサーは一連のデータを追跡するために使用され、現在検討中の例の1つに、該当技術により特定の樹木の二酸化炭素排出量を記録し、樹木の保存によるエネルギー節約量の見積りに使用するものがあります。

 

ブロックチェーンによるより良いヘルスケア

データに大きく依存している産業は、ブロックチェーン技術によって直接的かつ大幅な改善の可能性があります。ヘルスケアは、膨大な量のデータを生成しそれに依存しているだけでなく、現状の改善が社会の幸福に直接的かつ具体的な利益をもたらす可能性をもつ産業でもありす。

Muhammad Salman Anjum氏は、ブロックチェーンベースのCOVID管理システムを開発するBin Zayed Groupで社長を努めています。

「COVIDは2020年の難題となりました。2020年の問題は2020年の技術で解決することが正しい考え方となります。」とAnjum氏は言います。

「旧来のデータベースであるウェブアプリケーションは10年、20年、30年前の技術です。私たちには現代の技術があります。現在、技術は十分に発達しており、実用レベルのソリューションを考え出すことができると考えています。COVIDは全世界が目下直面する課題であり、最前線の医療従事者が自ら解決することはできないものです。彼らには支援が必要なのです。」

Anjum氏は、COVIDへの対応を管理するための包括的手段を提供する、ブロックチェーンのための、相互に関連した多数のユースケースを示しました。その対象にはもちろんワクチンも含まれています。

「ワクチン接種は、世界最大のサプライチェーン事業となるでしょう。正確な時間管理が必要で、何年もかけることはできず、おそらく6か月以内に行う必要があります。流通の計画、調達、優先順位付け、および運用の実行に管理システムが必要です。」とAnjum氏は述べています。

「この種の製品について、情報の間違いは許されません。簡単に金銭を稼ごうとワクチン接種を不正に提供するものが現れるでしょう。ブロックチェーン上に信頼できるレイヤーとしてのカストディがない場合、このようなことが起こり続けます。

ヘルスケアシステムでは、サイロ化されたデータソースの無数のリポジトリに基づき構築されることによる問題が起こります。これらは多くの場合、同じ課題に関係している情報であるものの、一貫性がなく互換性がありません。EHR Dataの主任研究員であるRon Austring氏は、この点に着目しました。

「EHR Dataでは、米国すべての医療データサイロを取り込み、1つのサイロにまとめています。これにより、異なる業界すべてにわたる全医療サービスを追跡することが可能になります。」とAustring氏は言います。

「患者がオピオイド薬を受け取るために薬局に行くと、その記録は安全な暗号化された形式で保存されます。データが破壊されたり改ざんされたりしないよう、データのハッシュをブロックチェーンとアーカイブノードに記録します。」

データがブロックチェーン上に記録されると、データは信頼できるものとなり、意思決定者または患者自身に関わらず実用的な情報の提供が可能になります。

EHR Dataが開発しているこの分野での実装事例の一つは、オピオイド危機に関するものです。Austring氏によれば、広く流通しており個別の医療データの情報源によって隔離され、共有されてないとこのことです。1つのリポジトリにヘルスケアデータを格納することで、複数の鎮静剤を処方されている患者が消費しているモルヒネの量など、より長期的なデータを分析することが可能となります。

現在、臨床研究分野でソリューションを開発しているブロックチェーンデータ衛生企業、VeridatのディレクターであるPhillip Runyan氏も、サイロ効果について次のようにコメントしました。

「当面の問題はデータの整合性です。製造者として、複数のサイロからすべて純粋なデータ取得できているのか?医薬品開発を前進させるため、または必要な警鐘を鳴らすための適切な判断に必要な情報が揃っているか?監督機関として、製薬会社から全情報を得られているか?そしてそれが正確である確信があるか?情報は完全か?こうした懸念事項は非常に重要であり、私たちのサービスはここに挙げたこと以上の問題を解決するものです。」とRunyan氏は話しました。

さらにRunyan氏は、最近の中国の事例を挙げています。ワクチンやその他医薬品の承認を得るための役人への贈賄で、何度も検挙された人物の事例があります。データが不変で捏造できない世界では、こうした問題は起こり得ません。

 

ブロックチェーンへの投資

ジミー・グエンは最後に聴衆へ向け、ブロックチェーンへの投資がより良い未来を築くために活用されているという点について強調しました。

「ブロックチェーン技術はインターネット誕生以来最大の技術的飛躍ですが、ほとんどの人はその理由について十分に理解していません。」とグエンは話しました。

「その答えは、データそのもの、そして私たちにとってより良い世界を作り出す事のできるデータの力にあります。データをより最適化し、アクセスを提供し、収益化ができればそれが可能になるのです。」

これを示すため、グエンはシンガポールのIoT道路ネットワークによって生成された数値を提示しました。1時間あたり16万件、1日あたり400万件、1年あたり14億件の車両の移動が追跡されています。このデータ量は、合計で1.3兆行、108テラバイト相当のデータとなります。

このような大きな規模では、データの収集と分析における課題が増大します。これこそが、ブロックチェーン技術、特にビットコインSVが介入し、違いを生むことができる分野なのです。中間処理を排除することで、データエラーの規模が大幅に縮小され、第三者との信頼関係への依存が不要になります。データをサイロ化する必要がなくなり、単一の検証可能なリポジトリに保存することができるようになるのです。データトランザクションをデータとシームレスに組み合わせられるようになり、エコシステム全体でデータを作成および共有するためのインセンティブが生まれるのです。