Bitcoin Association開催「第二回ベンチャーピッチ・デー」のイベントレポート

Alex Speirs 150 x 150
By Alex Speirs Published: 3月 18, 2020
post-event-report-bitcoin-associations-2nd-bsv-venture-pitch-day

CoinGeek史上初となる5回目を迎えるカンファレンスがロンドンで開催される前に、Bitcoin Associationは、第二回となる「BSVベンチャーピッチ・デー」を開催しました。このイベントでは、ビットコインSVエコシステム内から選出されたスタートアップ企業たちが事業を新たなレベルに拡大させるための投資資金を獲得するべく、テクノロジー分野におけるベテラン投資家たちに対してピッチを行いました。

第一回ピッチデーが韓国・ソウルで開催されたのはわずか6ヶ月前ですが、今回ロンドンで開催されるピッチデーに参加する世界各国の投資家たちの間ではすでに、ビットコインSV上で展開される優れたイノベーションに対する期待が高まっていました。

Bitcoin Associationの創設者・会長であるジミー・グエン氏は以下のように話しています。

「最初のピッチデーが成功に終わったことを受け、今回のピッチデーに対する応募者数は明らかに増加し、またBSVベンチャーの多様性も豊かなものとなりました。

実際今回は第一回ピッチデーの2倍となる50もの応募をいただきましたが。この中からロンドンで投資家たちへのピッチが許可されるプロジェクトとして10のベンチャーに絞り込むことは非常に難しい作業でした。

ピッチの許可を与えられた10のベンチャーに対しては、投資家に対してのプレゼンテーションのための時間として15分、そして参加者からの質疑応答セッションとして10分の時間が割り振られました。プレゼンを行う人々はさまざまなバックグラウンドを有しており、ピッチの内容としては、BSVブロックチェーンを活用したイベントマネージメントから個人データ管理に至るまで、さまざまなものがありました。

「こうした各種BSVベンチャーにおける多様性は、ビットコインSVが企業向けアプリケーションに対応できる唯一のブロックチェーンであるということが開発者や起業家たちの間で急速に認識されつつある、ということの表れだといえるでしょう。」とグエン氏は語ります。

「ビットコインSVは、優れたデータ容量や大規模スケーリング機能に加え、その他のプラットフォームではこれまで見られなかったレベルでマイクロトランザクションを実現することができます。そのため、ビットコインSVはビジネス向けブロックチェーンだといえます。さまざまなピッチが実施されましたが、どのプロジェクトにおいてもビットコインの真のパワーを最大限活用しようと取り組んでいることが伝わってきました。ビットコインSVが持つさまざま可能性に触れることができ、とても有意義な時間でした」

なお、ピッチの目的としては、投資資金獲得に加えて、2020 CoinGeekロンドンカンファレンスへの参加権獲得という側面もありました。このカンファレンスには800人以上が会場に集う予定であり、参加者の多くがピッチに参加したベンチャーの今後を大きく後押しできるような人々であるがゆえ、ピッチには熱が入りました。

その結果、ピッチデーに参加したベンチャーのうち、以下4プロジェクトがカンファレンスのメインステージでプレゼンを行うこととなりました。なお、Baemailはピッチデーの前からカンファレンスへの参加が決定しており、残りの3プロジェクトがピッチデーで選出される形となりました。これらのプロジェクトは皆異なるバックグラウンドやアイデアを持っており、投資家の時間や資金に見合うベンチャーであることをアピールしました。

Baemail

Baemail のCEOであるDarren Kellenschwiler氏はビットコインSVコミュニティで有名な人物の一人ですが、オープンアイデンティティプロトコル上に構築された商業ベースのEメールであるPaymailを実装したことでも知られています。Baemailについて氏は以下のように語りました。

「Baemailは『Paymail-to-Paymail』型の暗号メッセージシステムであり、メッセージに『価値』を付加することができます。

本日このピッチにおいて、世界中であまりにも多くのメールメッセージが存在することへの解決策として、『インボックス経済学』という考え方を提唱したいと思います。現在、一日あたりに送信されるメールの量はおよそ30兆に及ぶと言われています。私たちは、この量を削減することで、人々が有意義なコミュニケーションを取れることに特化したサービスを提供していきたいと考えています。そして、この問題を解決するには経済学的視点が必要となります。Baemailは、メールについて存在するこのような問題を解決する上での最初のアプリケーションなのです」

Baemailでは、Paymailプラットフォームからメッセージを送信する際に、メッセージに金銭的価値を付加することができ、送信先の受信ボックスでは、この金銭的価値の高い順にメッセージが並べられます。そして、メッセージを開封して読むことで、受信者は送信メッセージに付加された金額を入手することができるという仕組みになっています。

「プロジェクトでは現在、急速に開発スピードを加速する必要がある段階にあります。これから12ヶ月以内に、HandCash やRelayXをはじめとしたPaymailウォレットとの統合を行う予定であり、これによってユーザーベースを最大限拡大させていきます」(Kellenschwiler氏)

Kellenschwiler氏は、Baemailの素晴らしさはそのシンプルさにあると捉えている一方、同じようなコンセプトによって展開する競合プロジェクトも現れてきており、これはBaemailにとって最大のリスク要因となっています。氏はこれを受けて、明確なゴールを打ち出すことで投資家たちへのピッチを行いました。

「投資資金は主にチーム拡大のために使用し、これによって開発スピードを上げていきます。本日皆様とお話させていただく中で、今後5年間の指針がより明確になりました。プロジェクトモデルの現在および将来について投資家の方々がどのように考えていらっしゃるのかということを知ることができ、同時に、Baemailをこれからさらに展開するにあたって取り組むべきことがよりクリアになったので、皆様からのフィードバックは大変有意義であったと考えています」(Kellenschwiler氏)

 Memento

兄弟であるJeremy  Street氏とDaniel  Street氏が手がけるMementoも、投資家たちから優れたフィードバックを受け、CoinGeekロンドンカンファレンスへの参加権が付与されたプロジェクトです。また、Mementoは最も長い渡航時間をかけてピッチデーに参加したプロジェクトでもありました。

Mementoの共同設立者・CTOのJeremy Street氏は、「Mementoは広告のないソーシャルメディアです」と話しています。

「残念なことに、現在みなさんが使っているInstagramのようなソーシャルメディアで収益化を実現できているユーザーは1%に満たず、通常広告を通じて収益が生まれます。それ以外のユーザーたちは、たとえどんなに素敵な写真や動画を投稿したとしても、金銭的報酬を受け取ることはありません。そこで私たちは、広告という要素を取り除き、ユーザーたちを主役にするということを提案します」(Jeremy Street氏)

MementoはInstagramに似た仕様のアプリであると同時に、マイクロペイメントを通じてプラットフォーム上でのやり取りを行うためのインセンティブ構造を備えています。具体的には、ユーザーに対して単に広告が送信されるのではなく、ユーザーは他のユーザーの投稿内容に対してアクション(「いいね!」やコメントなど)を起こすにあたって手数料を支払うこととなり、その手数料はそのコンテンツを投稿した人が入手するという仕組みになっています。

Memento共同設立者・CEOであるDaniel Street氏は、次のように話しています。

「Mementoを活用することで、スマートフォンとインターネット接続を利用できる人であれば、世界中どこからでもすぐに収益を生み出せるようになります。

インスタグラムやフェイスブックのように、ユーザーをベースとして生まれたそうした収益のすべてを企業が受け取るというモデルではなく、その一部をユーザーに還元するということを提案しています」

現在、グローバル規模のソーシャルメディア業界を支配するインターネット大企業たちに立ち向かうのは並大抵のことではありません。ここで、Street兄弟は、十分な資金を得ることによって、そうした企業に対するオンチェーン上の競合プロジェクトを今年末までにリリースできると話しています。

「2年間分のロードマップをすでに計画済みであり、これに沿ってMementoにフルタイムで取り組んでいきたいと考えています。実際、Danielと私はこれまでフルタイムで1週間あたり80時間もの業務に携わりながら、空いた時間でこのプロジェクトに取り組んできました。

そのため、私たちとしてはMementoに完全にシフトしたうえで、なるべく早くプロジェクトを構築していきたいと考えています。プロダクトの構想はできており、必要なエンジニアたちも揃っており、マーケティングに関しても私たちは理解しています。そのため、あと必要なことは、誰よりも効果的に、早くプラットフォームを構築するということなのです」(Jeremy Street氏)

 Looter

ニュージーランド出身で、現在はロンドンのnChainでプロダクトアナリストとして従事しているAngus Adams氏がプレゼンを行いました。なお、このプレゼンテーションはロンドンに来ることができなかった兄弟(プロジェクトの設立者)の代わりとして氏が行う形をとっており、その意味でピッチデー参加プロジェクトの中では最も特殊なプレゼンテーションとなりました。

「私の兄弟(Ben Adams 氏)のおかげで、ちょっと面倒なことになってしまいました!それはさておき、実際はこのビジネスアイデアは私たち2人が一緒になって作り上げてきたものであるため、彼が目指していることは私も十分理解しています。

この度紹介させていただいたLooterは、マイクロペイメント機能を備えたソーシャル・フィットネスアプリです。このマイクロペイメント機能を活用することで、友人や家族がランニングを行うためのインセンティブを提供したり、ランニング大会に参加して寄付を募ったり、はたまたスポーツ競争の結果に対してギャンブルを実施したりすることが可能となります」(Angus Adams氏)

Adams氏はすでに多くのユーザーベースが存在するこの分野において、Stravaに類似した実装を通じて金融レイヤーを付加することで、Looterに独自性を持たせると同時に、同じようなサービスが多数存在する本分野における競争優位性の確保を目指しています。

「私たち二人にとって、これは大きなひらめきでした。私たちはともにソーシャル・フィットネスアプリをよく使用しているのですが、ここにマイクロペイメント機能を統合してユーザーたちが運動する上での意欲をマネタイズしたら、より優れたサービスになると考えたのです。

すでに1億9000万人ものユーザーが存在するこのマーケットは巨大です。競合相手はたくさん存在するでしょうが、私たちと同じことをやっている相手は誰一人としていません」(Adams氏)

ユーザー中心のアクティブなマネタイズ機能にフォーカスしたメインの機能に加えて、運動データに関心のあるサードパーティー(フィットネス業界や保険業界など)に対して自らの運動データを売却することを通じて収入を得ることも可能となっています。その他多くのベンチャーと同じく、Looterにおける資金調達の目的は、スケーリングのペースを上げることです。

「Benは、£200,000の資金調達を目指していて、4月にフルタイム開発者を一人採用する計画であり、UX/UI分野においても人材を探しています。

Benはまた、プロダクトのフルリリースを来年(初旬)に予定しています。私としては、プロジェクトが成功するためには100,000のアクティブユーザーが必要だと考えています。そのため、来年の終わりまでに100,000を超えるユーザーを獲得できるように取り組んでいきたいと思います」(Adams氏)

ActivitySV

さまざまな個人情報が急速に利用されるようになっている状況を背景に、中国出身のベテラン起業家であるLin Zheming氏はActivitySVを設立し、今回ロンドンでピッチを行いました。ActivitySVは、ユーザーがデータの管理・移転を行うにあたって、従来よりも多くの権限を持つことを可能とするのに加えて、自らのデータを活用したマネタイズを行えるようにするための、オンチェーンアプリケーションです。

「現在、そして今後にわたって人々がより一層プライバシーを意識するようになっていることにチャンスがあると思っています。

さまざまな規制によって、企業が人々のデータを利用するにあたっては多くの障壁が存在します。ここにおいて(ActivitySVを使用することで)、ユーザー自らデータの使用を許可すると同時に、それを元に収入を得ることができるようになります」(Lin Zheming氏)

ActivitySVでは、ユーザーに自らのデータに対するコントロールを与えるという発想のもと、3つの側面(ストレージ、データ送信、マネタイズ)からサービスを提供しています。Zheming 氏は、AppleのHealthKitアプリを使ったユースケースを紹介し、POCも完成見込みであるとした上で、本プロジェクトが素早く拡大していくうえでの準備はできていると語りました。

「これから12ヶ月は、このプロジェクトオンリーで従事できるようなチームを形成していくことに優先的に取り組んでいきます。

また、6ヶ月以内にApp Storeで、機能するデモ用プロジェクトをリリースできるように取り組んでいきます。これによって、年末までにどれだけのユーザーを獲得できるかを大まかに把握していく予定です」

なお、本プロジェクトはすでに別グループからの資金調達を行なっており、これから資金調達を行おうとする投資家たちにとってプロジェクトの確実性や成熟度を証明できているという点で、Zheming氏のピッチはユニークなものでした。ロードマップに加えて収益モデルも打ち出した本ピッチは投資家たちにとって好印象となり、CoinGeekロンドンでのメインステージ登壇権の獲得にもつながりました。

「投資資金は主に、チームを充実させ、プロジェクトを成功させる上での優秀な人材の獲得にあたって使用していこうと考えています。

私個人としても(ActivitySVに)投資を行なっており、すでにご投資をいただいている投資グループも存在します。ピッチデーにお越しいただいた方々に投資を募ることで、プロジェクトへの投資を充実させていきたいと思います」(Zheming氏)