振り返り:CoinGeekチューリッヒカンファレンス – 1日目

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By Jamie McKane Published: 6月 27, 2021
CoinGeek Zurich Conference stage lightning

CoinGeekチューリッヒカンファレンス 2021は2021年6月8日から開催され、ブロックチェーン技術とビットコインSVエコシステムに関わる講演者によるさまざまなプレゼンテーションが行われました。

CoinGeekチューリッヒは3日間に渡って開催され、期待に満ちたプレゼンテーションとディスカッションパネルが満載となりました。これらのセッションでは、ビットコインSV界における最新の開発状況に加え、ブロックチェーン技術の期待に溢れる新たなユースケースが提示されました。

ディスカッションの話題は、iゲーミングやeスポーツからヘルスケアとNFTまで多岐にわたり、講演者によってデジタル資産が環境に与えるインパクトや通貨自体の未来について語られました。

CoinGeekチューリッヒの初日には、多彩な業界とテクノロジーにおける経験豊富な講演者によるプレゼンテーションが行われました。Bitcoin Association創設者兼会長のジミー・グエン、Transmira最高経営責任者のロバート・ライス氏、Centiゼネラルマネージャーおよび会長のバーナード・ミュラー氏、EHR Dataインテグレーション部バイスプレジデントのMeghann Chilcott氏、nChainチーフサイエンティストであるクレイグ S. ライト博士をはじめ、その他多くの講演者が登壇しました。

三式簿記、持続可能性、通貨および消費者決済の未来など、ブロックチェーン技術に関する技術的に関心の高い話題について多数のパネルディスカッションも行われました。

イベントではスイス・チューリッヒの会場での参加者数受入れに限りがあるため、世界中の何千もの聴衆に向け配信も行われました。

CoinGeekチューリッヒ2021の1日目を見逃した方のために、イベントのハイライトをまとめました。CoinGeekチューリッヒ1日目のすべてを収録したライブストリームは、こちらからご覧いただけます。

振り返り:CoinGeekチューリッヒカンファレンス – 1日目

 

データの力を跳躍させる-ジミー・グエン

第7回目となったCoinGeekカンファレンスは、Bitcoin Association創設者兼会長であるジミー・グエンによりビットコインSVの基盤となる主要な提言と、この技術がデータプロセッシングと保存の新時代を生み出すことの出来る設計となっていることについての詳細が語られ幕を開けました。

他のプラットフォームにはない、BSVブロックチェーンが実現する無制限のスケーリング能力に加え、スマートコントラクトと複雑なデータトランザクションへの対応が強調されました。

「ビットコインSVエコシステムは、我々のデジタルエコノミーにおいてデータの力を最も価値の高いコモディティとして認識し、最適化します。」とグエン話しました。

「本物のデータによる本物のユーティリティを持つ本物の価値を構築することを目指しており、これこそがBSVを他の暗号通貨とは異なるものとあらしめているのです。長期保有するためだけのコインを作りたいのではなく、ブロックチェーンを日常生活で無数の決済及び事業でのやり取りに活用したり、テクノロジーのインフラストラクチャーを創造する、或いはデータの力を飛躍させるためにインターネットとともに機能する新たなデジタルの橋渡し役とさせたいのです。」

グエンは、個人によるデータ生成量の爆発的増加に加え、事業者によるこうしたデータの管理における課題について言及しました。この問題の解決策としてグエンは、効率的かつ安全なデータトランザクションの記録が実現するビットコインSV(BSV)を挙げました。

その概念は2008年当初のホワイトペーパーによる創設ビジョンとして明らかな通り、ビットコインはスケールできるように構築されています。グエンは、BSVがどのようにこの能力を復活させ、この技術のスケーラビリティを制限することを狙ったビットコインコア(BTC)の開発チームがこれまでに行った変更をどのように軌道修正してきたかについて説明しました。

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ビットコインSV Teranode – スティーブ・シャダーズ

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ビットコインSVインフラチーム・テクニカルディレクターのスティーブ・シャダーズが次に登壇し、ビットコインSVネットワークの現状とBSVエコシステムの未来について説明しました。

サトシ・ナカモトによるホワイトペーパー原書に描かれたビットコイン当初のビジョンを達成するには、前例のない秒あたりのトランザクション数を処理できるよう大規模なスケーリングが必要であるとしました。

「サトシのビジョンを実現するには、秒あたり百万単位、さらには10億単位のトランザクションを処理できるシステムが必要になります。これにはパラダイムおよびビットコインソフトウェアのアーキテクチャの変革が必要になります。」とシャダーズは述べています。

このニーズに応えるため、ビットコインSVインフラチームはTeranodeオープンフレームワークに取り組んでおり、これについてシャダーズはプレゼンテーションで聴衆にその予告版を提示しました。

「Teranodeのようなエンジンの構築における最初のステップは、要件を理解することになります。はじめに来るのが、高いスケール要件になります。」とシャダーズは話しています。

「他の主な要件は、トランザクションを100ミリ秒のうちに処理し伝搬させることになります。また、マイナーが競合しあい効率性とキャパシティを改善する競争的エコシステムを動機づけることです。そしてもちろん、最後に『ビットコインとして逸脱しない』ことになります。」

Teranodeでは、これらすべてのニーズへの対応を意図しており、オンラインとなった際に互換性を実現しBSVネットワークにおける最適な機能を保てるようソフトウェアの構築には細心の注意が払われてプランニングされています。

シャダーズは、フレームワークのオープンな性質に加え、カスタマイズの可能性とモジュラー設計について説明しました。また、ビットコインSVへのTeranodeのライブ実装を視覚化したダッシュボードを提示し、ソフトウェアのスケーリング能力を実演するランプアップテストを行いました。この実演中シャダーズは、Teranodeが4つのクラスターノードに渡る水平スケーリングで毎秒50,000トランザクションを処理できる方法を提示しました。Teranodeは、最大で10のノードで毎秒100,000トランザクションにまで対応可能です。

6月末までには、開発チームによりTeranodeノードがビットコインSVメインネット上で稼働する見通しであるとしています。これに続き、Teranodeによりブロックがメインネットワークでマイニングされる前にプロトコルの互換性がテストされます。最終的に、マイナーの大部分に採用され安定性が証明されれば、ビットコインSVソフトウェア自体がよりスケーリング可能なTeranodeソフトウェアに取って代わられることになります。

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スイスにおけるBSV – バーナード・ミュラーおよびパトリック・プリンツ

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次のセッションでは、Centiゼネラルマネージャー兼会長のバーナード・ミュラー氏とBitcoin Associationヨーロッパ&オペレーションマネージャーのパトリック・プリンツが登壇し、スイスにおけるビットコインSVについて語りました。

両者はビットコインSVを巡る事業が着目するもの、産業の発展と事業者による採用の急速な増加について語りました。スイスは国内の成長が継続的に見られる国であり、ミューラー氏は国内の起業家の多くがビットコインSVブロックチェーン上でソリューション構築を開始したと述べています。

「橋渡し役であり誰もが使えるビットコインSVブロックチェーンはインフラストラクチャーである、と理解する大規模事業者との間での興味深い多くの対話が見られてきました。」とプリンツは述べています。

プリンツはまた、参加者にカンファレンスでネットワークを広げ、特にスイスで隆盛を極めるチャンスについて、ビットコインSV上で構築されるビジネスについてさらに知見を広めるよう推奨しました。

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ビットコインSVを備えたThe Metaverse – ロバート・ライス

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次は、Transmira創設者兼最高経営責任者のロバート・ライス氏がMasterverseの概要および取組中のOmniscapeプラットフォーム上でのXR Metaverse構築について発表しました。

「Metaverseはゲームやバーチャルワールド以上のものです。無の空間に生まれた、一つの星であると言えます。多元宇宙なのです。」とライス氏は述べています。

「Metaverseは拡張現実及び仮想現実をブレンドし、現実世界につなぎ合わせ、あらゆるものとつながり合います。現実世界にデータが融合されるのです。これが全体像かつ、その集大成です。」

ライス氏は、現実世界のあらゆる物体は最終的にMetaverseでデジタルに置き換えられるため、ビットコインSVのブロックチェーンを用いてデジタルの世界を実世界にリンクさせることが重要になると話しています。

「よく、『なぜBSVなのか?』と聞かれますが、『今すぐに実現できるから』です。」とライス氏は話しました。

無制限のスケーリング能力、低いトランザクション手数料、高いデータスループットを備えるビットコインSVこそが、Metaverseの実装において唯一の候補となったとのことです。ビットコインSV上で構築されたOmniscapeは近日、現実世界の資産やその他の物体をトークン化するためのブロック構築を可能にする新たなサービスとテクノロジーを発表する予定です。

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パネルディスカッション:マイクロ、そしてナノペイメント

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次のセッションは1日目初のパネルディスカッションで、CoinGeekチーフビットコインヒストリアンであるKurt Wuckert Jr氏が次の講演者を迎えました。

  • アレックス・アグート – HandCash最高経営責任者
  • ロビン・コーゼ – Vaionex Corporation共同設立者兼最高経営責任者
  • コナー・マーレイ – Britevue共同創設者兼最高経営責任者
  • ジョン・”ジャック”・ピッツ – SLictionary.com共同創設者

ディスカッションは、BSVネットワークにおける理想的なトランザクション手数料についての議論で始まり、技術が成長するに連れ、もちろん市場の力に左右されトランザクション手数料は下がり続け、もしくは少なくとも従来のデジタル決済処理業者のものより低くなるであろうとの意見で一致しました。

パネリストは、マイクロおよびナノペイメントに依拠するものを含め、こうした低トランザクション手数料が新たな事業でのユースケースを可能にする方法について述べました。これらは結果的に、多くのユーザーが新たな種類のサービスをほとんど気にかけなくて良い個人レベルのコストでアクセスできるようにします。

HandCashでこうした決済を正確に実行する事業を行うアグート氏は、この先1~2年で劇的な採用数となると見ているとしました。この専門家によるパネルでは、法定通貨でデジタル通貨を購入しビットコインSVネットワーク上でその価値を他者に送金する日常的ユーザーにとってのストレスを減らすソリューションの可能性についても話し合われました。

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パネルディスカッション:ビットコインにおける消費者決済、インセンティブと報酬

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次のパネルディスカッションは、CoinGeek北米アソシエイトエディターであるパトリック・トンプソン氏が次の講演者を招きました。

  • フオン・ジン – Mijem創設者兼会長
  • Maximilian Sinan Korkmaz博士 – Stabilwerk BauおよびP2P Softwareマネジングディレクター
  • バーナード・ミュラー – Centi会長およびゼネラルマネージャー

各パネリストにより、MijemでのビットコインSVキャッシュバックリワード、StabilwerkでのStabilwerkトークンインセンティブ、CentiでのBSV決済及び取引など、どのように自身の事業へBSVの統合をしてきたかが話されました。また、ビットコインSVネットワークに機能を付け加えることの理由についても説明があり、各パネリストが低トランザクション手数料、プロトコルの安定性、無制限のスケーリング能力がそれぞれのサービスにおいて重要な立役者となったことが述べられました。

ディスカッションは続いて法定通貨と暗号通貨の関係、デジタル台帳はトランザクション手段として法定通貨システムに取って代わる準備が整っているかどうかに移りました。議論の話題はオン・オフランプを通してのデジタルトークンへのアクセシビリティが中心となり、バーナード・ミュラー氏はいかにしてビットコインSVネットワークがブロックチェーンのサトシトークンを決済通貨として使用する必要なくデジタル決済にとってのレールとなれるかについて語りました。

フオン・ジン氏は、ビットコインSVブロックチェーン上で決済、インセンティブ、リワードを実現するに当たり、手数料の低さと高いトランザクションスループットの重要性を説明しました。ビットコインSVネットワークの持続可能性についても強調され、注目に値するトランザクション処理能力と併せてこの環境要因が現在新興しつつあるフィンテックスタートアップにとってブロックチェーンを魅力的なものにしているとしました。

Korkmaz博士は、決済実装における重要な点の一つは使いやすさ、ビットコインSV上でのインセンティブとリワードシステムであるとしました。デジタル台帳により、不要な書類作業を排除できるとし、これがインセンティブシステムとして推奨できるものだと話しました。

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パネルディスカッション:ヘルスケアとビットコインSV

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次は、ジミー・グエンがEHR Dataインテグレーション部バイスプレジデントのMeghann Chilcott氏とVXpass創設者のZachary Weiner氏を迎え議論を進めました。ディスカッションは、保健分野におけるブロックチェーン技術の膨大なメリットについての話題が中心となりました。

Weiner氏は、VXpassの提供する核となるプロジェクトと、民間・公共の提携によるレソトでのワクチン接種の追跡と記録事業のプロジェクトについて説明しました。

「VXpassは、核心的には紙によるワクチン接種履歴カードのデジタル化となっています。安全性が高く、患者自身が所有するもので、改ざんできない形で医療専門家が署名します。」とWeiner氏は述べています。

「レソトにはワクチン接種履歴をクラウドサービスに保存する技術的インフラストラクチャーが存在せず、またMicrosoftやAmazonのようなサービスに支払うライセンス手数料となる資金もありません。従って、データを永久保管できるペイ・パー・レコードモデルがワクチン接種の追跡及び記録にとって最適です。

Weiner氏はまた、セッション中に期待をそそる発表も行いました。VXPassプラットフォームは誰もが簡単に登録でき、世界中場所を問わず新型コロナウィルスのワクチンを接種済の人は、VXPassを用いて有資格医療従事者よりデジタルレコードを取得することができるとのことです。

Chilcott氏は、現代ヘルスケアシステムに遍在するサイロ化したデータシステムの非効率性について語り、Weiner氏の主張による患者自身が個人の保健データを所有し医療専門家により必要な時にアクセスされるようにすべきだとの点に同意しました。EHR DataがビットコインSV上に情報を保存する方法についてのChilcott氏の説明からも明らかなように、両講演者は個人による保健データのプライバシーと所有権の重要性を強調しています。

「簡潔に言えば、個人のプライベートな保健情報は実際にはブロックチェーン上にはありません。データのハッシュをブロックチェーンに書き込むため、人間が直接読めるものではありません。」とChilcott氏は話します。

「ここで書き込むデータは、ユーザーのプライベートデータのメタデータです。加えて、リンクするレコードは作成しないため、誰かがプライベートなデータを見ることができたとしても、誰のものであるかはわかりません。」

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データのインテグリティとブロックチェーン – フィリップ・ルニアン

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Veridatマネージングパートナーのフィリップ・ルニアン氏が壇上を引き継ぎ、データインテグリティと起源がビットコインSVとブロックチェーン技術を用いることでいかによりよく保存され監査され得るかについて説明しました。

中央管理によるデータストレージと処理者がデータを都合よく書き換えようとする動機について、またデータの信憑性を確保するためのより良い提案について話しました。

データの信憑性を完全に保つには、より良い監査可能なソリューションが必要です。そのため、Veridatを構築しています。」とルニアン氏は話します。

Veridatはブロックチェーンデータストレージとハッシュを用いて、あらゆるデータの変更と追加を記録し、検証可能な調査ログと簡単に監査できる生成データを作成します。このプラットフォームが非常に活躍する採用例は、発展途上国で跋扈する偽薬市場への対応になります。

偽薬は判別するのが非常に難しく、違いがほとんどわかりません。アジアとアフリカは常にこうした偽薬と品質の満たない医薬品が最も流通する場所となっています。」とルニアン氏は話します。

「ブロックチェーン、そしてVeridatによるその拡張が、未来のために必要だと私が考えるソリューションなのです。」

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パネルディスカッション:サプライチェーンとブロックチェーン

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昼食休憩の後、パトリック・プリンツが司会を務めるパネルディスカッションでカンファレンスが再開しました。パネリストは次のとおりです。

  • Husen Kapasi – PwC Europeブロックチェーンリード
  • Tatjana Meier – IBM Services Switzerlandブロックチェーン実践リーダー
  • ステファン・ニルソン – UNISTOR共同創設者兼最高経営責任者

パネルはビットコインSVでのサプライチェーンのモニタリングに着目し、また業界内に渡りサプライチェーン効率とデータの信憑性の改善についてのデータが共有されました。パネリストは、手にする製品がどういった起源のものかを知りたい他事業者や消費者のために、規制当局によるサプライチェーンの透明性改善の圧力があることを話しました。

Kapasi氏は、ブロックチェーン技術は既存のサプライチェーンモニタリングシステムをアップグレードさせるものと見られるべきだと述べています。「ブロックチェーンは既存のデータベースソリューションを置き換えるものではなく、補助的なものとなります。信頼できる唯一の情報源として機能し、特定の製品や商品の信憑性を高めるものです。」と話しています。

ブロックチェーン技術においてビットコインSVを用いることについてNilsson氏は、ビットコインSVの低トランザクション手数料と高データスループットが業界のソリューションに欠かせないため、要件を満たせるものは他にないとしました。

講演者はまた、「公開台帳」という言葉の誤解により顧客より寄せられる主な懸念についても言及し、ビットコインSVはデータトランザクションのタイムスタンプ付きの公開台帳であるからと言って、ブロックチェーンに書き込まれるデータが公開されていると意味するものではないと述べました。

サプライチェーン業界でブロックチェーン技術を実際に実装することに関してMeier氏は、製品が消費者に届けられるその過程についてのより高い透明性が持続可能性を改善でき、その情報に対価を払うことを厭わない消費者は数多くいると述べました。

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従来型の金融の再構築 – ムハマド・サルマン・アンジュム

20210608-140643

次に、InvoiceMateチーフメイト、中東および東南アジアBSV Hub責任者であるムハマド・サルマン・アンジュムがステージを引き継ぎ、ブロックチェーンがどのように従来のイスラム圏の金融を再構築できるかについて話しました。

サルマンは、InvoiceMateがブロックチェーン技術を用いて解決に取り組む問題とこのタイプのプラットフォームがどのように従来の金融エコシステムで活用され得るかについて説明しました。サルマンは、現在のデジタルトランスフォーメーションのプロセスにおける問題を明らかにし、ブロックチェーンベースのサービスがこうした問題に対応できる方法を示しました。

しかし、現在のブロックチェーンエコシステムに存在する複数の問題にも言及し、製品レベルのアプリケーションの必要性、また投機的トレードとボラティリティにつながった理由と見られる実装の不足を強調しました。

InvoiceMateはこうした問題を請求業務において解決することに加え、セキュリティと効率性の改善、暗号通貨との統合にも取り組んでいます。

「ブロックチェーンのこのプラットフォームがなければ問題が発生し、その問題は実際に現在我々が体験しているものです。」とサルマンは説明します。

続けてInvoiceMateがこうした問題にどのように対応するのか、そして同社が行った従来の金融エコシステム内での各種問題へのソリューションの研究及び資金調達の主な提携について話しました。

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BSVでのRegTech – Peter Bainbridge-Clayton

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Kompany創設者兼最高技術責任者 (CTO)のPeter Bainbridge-Clayton氏が壇上を引き継ぎ、ビットコインSV上のブロックチェーンおよびKYBでの規制テクノロジー、またRegTechについて講演しました。Kompanyはビジネスインフォメーションプロバイダーとして世界中で、リアルタイムの公式事業登録ネットワークを運営しています。

「我々は、規制当局により罰則を受けるか受けないかの点において差を生みだす事業を行っています。」とBainbridge-Clayton氏は語り、顧客が事業を営む上で必要となるあらゆる規制適合チェックのコンプライアンスを確かなものとするサービスの提供について説明しました。

「我々は顧客が事業を営む上での費用、時間、リスクがかかりすぎないようにすることを狙っています。」

KYC(顧客確認)とKYB(事業確認)にかかるリスクを低減するため、KompanyはビットコインSVブロックチェーン上の各トランザクションの記録を保存し真実の情報源としてまとめ、規制要件適合の事実を証明可能、検証可能なものにしています。

Bainbridge-Clayton氏は、ビットコインSVのスピード、スケーラビリティ、ブロックサイズがKYC市場の創造を可能にし、顧客の規制適合のコンプライアンスにおける効率的で安全な環境を提供するうえで、ビットコインSVがKompanyにとって最善の選択肢であることを説明しました。

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パネルディスカッション:BSVでの三式簿記

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Bainbridge-Clayton氏のプレゼンテーションに続き、Kurt Wuckert Jr氏が壇上を引き継ぎ、以下のパネリストを迎えた三式簿記による会計についての議論の司会を務めました。

  • Ian Grigg – 金融暗号学者
  • Juan Ignacio Ibañez – UCL Centre for Blockchain Technologies中央管理者
  • Torje Vingen Sunde – Abendum AS最高技術責任者 (CTO)

ディスカッションは、Ian Grigg氏による二式簿記について改ざんから守るための方法としての誕生と歴史についての説明で始まりました。この会計方式の歴史を概説し、暗号学の研究がどのように第三者の真実の情報源に守られる三式簿記会計システムの誕生につながったかが説明されました。

「ビットコインが登場し、三式簿記システムが可能となりました。各々のブロックに何が収まるかを決めるプルーフ・オブ・ワークを用いるブロックチェーンは、第三者となります。」とGrigg氏は述べます。

Juan Ignacio Ibañez氏は、三式簿記及び会計システムでの第三者としてのビットコインのユーティリティに関しさらに踏み込みました。

「私の考えでは、UTXOベースのブロックチェーンがあれば三式簿記が実現することになります。」と同氏は述べています。

さらにブロックチェーンによる三式簿記への移行はその採用に関し企業により後押しされなければならないものであると付け加え、この技術の順次採用により実感される明らかな利点がさらに三式簿記への移行を後押しすることになると強調しました。

Torje Vingen Sunde氏は、ビットコインSVに基づくこの概念の商用三式簿記製品であるAbendumとしての実用最小限の製品(MVP)での適用事例を紹介しました。

「私達は、企業がブロックチェーンで多様に第三の帳簿をつけられるようにすることを狙っており、事業者がこれを簡単に試せるようにするのは非常に重要なことです。また、取引相手がトランザクションを簡単に検証できるようにもしていきたいと考えています。まず検討しているのは、ブロックチェーン上に記録した拡張した会計情報のどれだけが第三者により検証されたかを示すダッシュボードの構築です。」とSunde氏は述べています。

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パネルディスカッション:ブロックチェーン上でのBizTech

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次のパネルディスカッションは、ビットコインSVブロックチェーン上に構築されたBizTechサービスに着眼点が置かれました。ジミー・グエンがモデレーターとなり、次の講演者を迎えました。

  • Ryan Byrne – BuzzCast共同創設者兼最高経営責任者
  • ジョージ・シオシ・サミュエルズ – Honā創設者
  • Holger Vogel博士 – 金融エンジニアおよびAvaloq開発者

サミュエルズ氏がディスカッションを切り出し、事業および専門職向けソーシャルアカウンタビリティプラットフォームであるHonāの概要を説明し、このアプリケーションがリモートワーカーと企業の誠実さを保つ仕組みについて解説しました。

「ビットコインSVを用いて監査証跡を実現し、責任について更に真剣な人は決済メカニズムを使うことができます。これを作業チームに適用するとさらに利益の得られるものとなったので、マイクロペイメントだけでなく目標と慣習追跡融合できるという仮説を実証するためにこの製品を構築しました。」とサミュエルズ氏は述べています。

Ryan Byrne氏は、ビットコインSVを行動の動機づけとし、さらにスポンサーとホストがイベントで達成したい成果と行動を得られるようにしたいとしています。

「我々はコンテンツを扱っており、多様なイベントを揃えています。例えば、他のイベントでも講演を行う可能性のある講演者がいる場合、他のイベントで使用されるコンテンツからNFTを作成できる可能性があります。」とByrne氏は述べています。

Holger Vogel博士は、ブロックチェーンによる金融機関に対してのKYCおよび本人確認としてのユーティリティについて話しました。

「こうした技術には、持続可能性の観点から大きな利点があると考えています。共有される台帳が用いられるべきである中、クライアントにより作成されるデータを保管するビットコインSVがその役を果たせます。」と同氏は述べています。

銀行および金融機関が、自らデータを保管し処理するコストとリスクを負担するのではなく、RegTech機関またはその他の検証可能な情報源からデータを取得するほうが望ましいとしています。

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パネルディスカッション:ビットコインSV上でのステーブルコイン

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ジミー・グエンが壇上に残り、次のパネルディスカッションでビットコインSVエコシステムにおけるステーブルコインとその役割について議論しました。パネリストは、次のとおりです。

  • マシュー・ディクソン – BitBoss共同創設者兼最高経営責任者
  • リチャード・グルーム – ALT 5 Sigma Incエグゼクティブチェアマン
  • Daniel Lipshitz – Gap 600最高経営責任者

パネルではたくさんの発表が行われ、各講演者の今後ビットコインSV上で立ち上がる予定のステーブルコインの詳細が話されました。

マシュー・ディクソン氏によれば、BitBossは米ドルにバックアップされたステーブルコインをビットコインSV上で数日のうちに立ち上げるとのことでした。

「我々には、多くの人が資金投入可能なプール用の銀行口座を開設出来る銀行があり、、口座に着金するとビットコインSVで米政府連邦預金保険公社に保証されたステーブルトークンを鋳造できます。」とディクソン氏は話しました。

このステーブルコインの立ち上げ時期はいつかとの質問に対しディクソン氏は、トークンのリリースは「まもなく」であるとしました。

Daniel Lipshitz氏は、確定したトランザクションを必要としない即時性のあるビットコイントランザクションの実行を保証するGap600のビジネスモデル、およびステーブルコインへのアプローチについてについて説明しました。

「ハッシュウォー以来、ビットコイン当初のサトシビジョンの実践の可能性とグローバルな大規模スケーリングを可能にするプロトコルに後押しされるビットコインSVに大いに注目しています。私達にとってこれこそがやりがいとなっています。」とLioshitz氏は述べています。

同氏はビットコインSVの開発及びアクセシビリティへのアプローチを称賛し、Gap600がステーブルコインの使用を通してさらなるブロックチェーンサービス創造の膨大な可能性をどう見出してきたかについて説明しました。このステーブルコインは、近い将来に立ち上がる予定です。

「今年の第4四半期には、複数のステーブルコインインスタンスを発行するステーブルコインプラットフォームを立ち上げることになっており、従来の銀行環境からの脱却と新たなシステムへの移行を提示します。」と同氏は加えました。対応通貨には米ドル、スイスフラン、ユーロ、英ポンドがあり、受容とコンプライアンスにより新たな法定通貨にも対応することになります。

リチャード・グルーム氏も、ALT 5 SigmaがTokenizedとの提携によりまもなく独自のステーブルコインを立ち上げると発表しました。

「オーストラリア拠点の企業であるTokenizedとアメリカの大銀行と提携することになっており、完全なKYFを備えたオープンプロトコルとしてあらゆる法的枠組みに対応したものとなります。」と同氏は話しています。

案件は現在契約段階にあるものの、グルーム氏によればステーブルコインは2021年の第3四半期または第4四半期には立ち上がるとのことです。

「まずは米ドル、ユーロ、東南アジア通貨から始めることになっています。」と同氏は話しました。

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持続可能な金融の未来の構築 – Zumo

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次に、Zumo共同創設者のニック・ジョーンズ氏とポール・ローチ氏がCrypto-Standard Podcastホスト、そしてThe Scotsmanコントリビューターであるジム・ダフィー氏をモデレーターとして壇上を引き継ぎ、非カストディ型技術およびビットコインSVの活用による持続可能でインクルーシブな金融の未来の構築について説明しました。

Zumoはブロックチェーンベースのサービス及び決済プラットフォームにより世界中の人々の暮らしを改善することを目指すプロジェクトです。

「この分野に大きな期待を持っており、しかも多くの人にとってアクセスできないものであることが分かっています。当時は暗号通貨を購入するのは非常に難しかったので、ポール氏と私はなるべく多くの人が利用できる非カストディ型ウォレットを構築したのです。」とジョーンズ氏は話しました。

ローチ氏は、このアプローチはビットコインプロトコルの精神に沿ったものであると確信していたため、カストディ型ウォレットが重要な基礎となったことを説明しました。

「Zumoを立ち上げる際、非カストディ型のアプローチはエンジニアリングの観点からは長い道のりとなりましたが、事業開発チームにより支えられるものであったし、チェーン・アグノスティックを実現することができました。」と同氏は話します。

「こうして、まずはビットコインでリリースし、次はビットコインSVでのリリースとなります。」

共同創設者である同氏は、ビットコインSV非カストディ型ウォレットのリリースは喫緊性の高いもので、前進を続ける強力な機能を備える、紹介報酬によりビットコインSVの利用者拡大を狙うものとなるとしました。

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パネルディスカッション:通貨の歴史とビットコインの未来

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内容の詰まったCoinGeekチューリッヒ2021の初日は、ジミー・グエンが多数の高名な講演者を壇上に招き、通貨の歴史とビットコインの未来についてのパネルディスカッションで締めくくりとなりました。ここでは、以下の識者が登壇しました。

  • Urs Birchler – チューリッヒ大学銀行業教授
  • Jürg R Conzett博士 – MoneyMuseum(スイス)創設者兼代表
  • Thomas Moser – スイス国立銀行政府理事会代理委員
  • クレイグ S. ライト博士 – nChainチーフサイエンティスト

ディスカッションは、通貨の定義、その多様なカテゴリ、創造方法の検証の重要性に関する深遠な議論で始まりました。

「今日の通貨として最良の形式は、デジタルによるものです。これは信用があり有形でないからです。中世のゴールドアンカーと同じように捉える人がいますが、すでに機能せず、過去のものとなっています。」とJürg R. Conzett博士は話しました。

Thomas Moser氏、クレイグ S. ライト博士、Urs Birchler氏も通貨の定義を交換手段として講話し、各独自の通貨に関する多様な媒体またはコモディティとしてのカテゴリ分けの基準を提示しました。

「通貨は、創造される価値ではなく、資本でもありません。通貨はそれらを計測するものであり、他のものとの交換手段です。」とライト博士は論じます。

ビットコイン、そしてよくある法定通貨の代替としてのビットコインの誕生説に話が移り、パネリストはビットコインがどのように既存の経済及び通貨モデルに適合できるかを論じました。

「ビットコインは、法定通貨や銀行を根絶やしにしようとするものでは決してありません。ビットコインは単なるメカニズム、そしてプロトコルです。通貨のあるべき姿なのです。完全に任意の存在です。物事のルールは変わることはありません。」とライト博士は述べています。

Birchler氏のビットコインに対するアプローチは、デジタルトークンは物理的希少性が電子的あり方に依存している「自然通貨」である、とするものです。また、ビットコインコア(BTC)は法定通貨の代替とはならない、とも付け加えました。

「BTCは決して新世界の通貨とはなり得ません。そうなるためには、効率が悪すぎます。」と同氏は話します。

ブロックチェーンとデジタルトークンの普及に関して、Conzett氏はテクノロジーに対する世間の関心が高まりさらなる透明性が市民から求められるに連れ、政府による移行が求められ、ビットコインSVのようなブロックチェーン上に通貨システムを構築する必要性が出てくるであろうと予測しました。

カンファレンスはジミー・グエンにより、オンラインおよび直接来場による参加者への感謝の意で閉じられました。

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