RAW Complianceの「暗号資産金融犯罪コンプライアンスにおける暗号資産規制専門講義チャレンジ」のまとめ

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By Alex Speirs Published: 3月 29, 2021
Ella Qiang smiling on dark gray background

Bitcoin Associationの東南アジア地域の地域マネジャーであるElla Qiang氏が、RAW Complianceによる2時間に渡るデジタル資産業界での金融犯罪規制準拠コンプライアンスに関するワークショップに参加しました。このワークショップは、RAW Complianceが現在取り組んでいる暗号資産規制専門講義シリーズのパート4にあたるものです。

Qiang氏の他、デジタル資産業界から次の専門家が参加しました:

  • Chainalysis社公共部門オペレーション(EMEA)責任者 Scott Johnston氏
  • Onchain Custodian最高経営責任者兼共同設立者 Alexandre Kech氏
  • 100x Group最高コンプライアンス責任者 Malcolm Wright氏
  • Merkle Science事業開発副代表 Ian Lee氏
  • INCA Digital調査責任者 Paul Marrinan氏
  • Minerva Stratagem Consultingディレクターおよび独立アンチマネーロンダリング専門家 Dev Odedra氏
  • 金融犯罪防止、検出、調査専門家 Adebayo Tiamiyu氏

本ワークショップでは、不法なデジタル資産での資金移動が劇的に増加する時世でのデジタル資産に関する金融犯罪問題を、複数の角度から踏み込んで検証しました。2018年から2019年にかけて、デジタル通貨の不法資産の対ドル流通額は2倍に増えています。しかし、ワークショップの冒頭で議論したとおり、不法活動がデジタル資産のエコシステムでどれほど発生しているかを正確に特定するのは常に困難を伴います。とは言え、不可能ではありません。

これに限らず、業界は改善を続けており、Qiang氏は次のように指摘しています:

「暗号資産業界で見られる全体的なトレンドは、どれだけ暗号資産を扱う企業に対し友好的であるかにより政策の間でさじ加減を調整する国もあるものの、コンプライアンスを尊重する方向に向かっていると思います。」

続けて、次のようにも話しています。「ただしこの先、アメリカ、シンガポール、香港のような少数の国が各種デジタル資産の規制を取り巻く公式枠組みを設け始めることで、監督規制を受けないプラットフォームは消滅していくと思います。」

「暗号資産を財産とみなすかどうかなど、根本的な規制を定めている国は、時間的に有利な立場にあると言えます。」

デジタル資産ミキシングサービスの役割を含め、マネーロンダリングに関する議題は講義の間繰り返し取り上げられました。今年初めにChainalysisの報告書により提示されたデータによれば、サイバー犯罪は数少ないサービスプロバイダーのグループに依存しているとのことです。270の入金アドレスで、55%の不法資金が受け取られています。

「ミキサーが問題となるのは常に、入ってくる資金と出ていく資金の繋がりを断つ点です」とLee氏は説明します。

「本質的に、顧客の資産を混ぜ合わせるあらゆる暗号資産ビジネスはミキサーとなり得ることを考えれば、資金を集めコールドまたはホットウォレットに保管するあらゆる取引所、事業者、マーケットプレイスがミキサーとなりえます。」

「したがって、ここで熟考が必要になるのです。資金を混ぜることになっている 事業者が問題なのか、それともその行為自体が問題なのか?」

この点は、デジタル資産がこの問題の張本人であるといい切れるかどうかについての議論を通して共通の論点となりました。

「暗号資産はいわゆる匿名のものであり、監視する側としてはアドレスを監視することになります。」とLee氏は説明します。

「資金洗浄を見つけるには、現金に着目すべきです。」

100x GroupのMalcolm Wright氏は、次のようにLee氏の意見に共鳴しています。「トレーサビリティの構築を始め、取引所が本人確認を行うようになると、入出金のどちらも可能なものでは特に、トレーサビリティを持つ暗号資産を金融犯罪に用いることははるかに困難になります。メカニズムからして、金融犯罪を行う側にとって取引所は最も優れた選択肢とはなりません。」

しかしそれにも関わらず、デジタル資産はその性質上いくつものやり方で犯罪に用いられ得ます。Lee氏は、デジタル資産におけるマネーロンダリングには明確な特徴があるとしています。例えば、ソートコードや銀行による詳細情報確認などが必要な旧来の銀行送金とは異なり、デジタル資産では送金先アドレスに資金を移動させるのみである点です。

同じく、トークンはテロリストが資金確保するのを容易にします。フォロワーに対しソーシャルメディアでビットコインアドレスを投稿するだけで、テロリストが資金を手にできるのです。

旧来の銀行システムとは異なり、デジタル資産であるその性質から、脆弱性を狙ったハッキングにも弱い事も挙げられます。2017年のように、かなりの数の取引所が短期間の間に立ち上げられたため、このことは特に当てはまります。

「こうした多くの取引所が既製品パッケージソリューションとして立ち上げられており、つまりその多くが資金を保護するためのコンプライアンスやセキュリティプロセスを持っていませんでした。」とLee氏は説明します。

デジタル資産業界での不法資金調達問題のすべての議論ではもちろん、解決策も検討されます。そして、ブロックチェーン技術はこの解決策を提供できるという事実が理解されるべきです。

「Bitcoin Associationでは、法規制運用強化とコンプライアンス専門家の対応を容易にする技術としてのブロックチェーンに注目しており、実際に実現可能になっています。ビットコインとブロックチェーンは、時間の記録が残る台帳なのです。」とQiang氏は話します。

Bitcoin Associationは、エコシステムの中で発生する犯罪活動に対応するため、デジタル資産コミュニティに向け専門家の派遣およびこの分野での知見の提供に自信を持っています。RAW Complianceおよびその一連の暗号資産規制専門講義の詳細は、 こちらをクリックしてご確認下さい。