ビットコインの「エネルギー問題」解決策

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By Jamie McKane Published: 12月 17, 2021
Bitcoin on an energy source

暗号通貨およびブロックチェーンベースのトークンに対する投機的投資への世界的な関心によって激化したビットコインマイニングの人気の上昇は、ビットコインマイナーが消費する電力量に対する懸念へとつながっています。その中でも、ビットコインコア(BTC)は膨大な量の電力を消費し、このエネルギーを主要な機能へ非常に非効率的に変換しているため、批判の的となっています。

ビットコインのエネルギー消費は、SHA-256プルーフ・オブ・ワークコンセンサスメカニズムの結果です。このメカニズムでは、ブロックチェーンに追加されるトランザクションブロックを検証するために、マイナーに複雑な暗号問題を解かせる必要があります。この検証では、マイナーは特殊なハードウェアを使用する必要があり、より多くのハッシュパワーを出力しブロックを検証して報酬を受け取ろうと競い合います。

ただし、SHA256プルーフ・オブ・ワーク・ブロックチェーンでは必ずしもこのエネルギー問題は不可欠なものではないことをカナダの会計事務所、税務および事業顧問企業であるMNPが最近示しています。「Blockchain technology and energy consumption: The quest for efficiency」(ビットコイン技術とエネルギー消費:効率性の探求)と題した調査報告書は、ビットコインコア(BTC)およびビットコインキャッシュ(BCH)と比べ、はるかにエネルギー効率が高いのは、ビットコイン本来のプロトコルに基づいたビットコインサトシビジョン(BSV)ブロックチェーンであると結論付けています。

この調査報告書では、サトシ・ナカモトのホワイトペーパーで描かれているビットコイン当初のビジョンに沿ったビットコインプロトコルの実装により、BSVブロックチェーンがこれほどまでに優れたエネルギー効率を実現していることが明らかにされています。BSVと他の2つのブロックチェーンプロトコルの主な違いは、BSVにはブロックサイズの人為的な上限がないことで、MNPが明らかにしたビットコインマイニングで広く言われている「エネルギー問題」の主要な要因であるトランザクションスループットの制限がないことです。

「BTC、BSV、BCH、3つのビットコインプロトコルの中で、どのプロトコルが最も効率的であるか比較検討を行った。あらゆるビットコインプロトコルが、そのプロトコルを利用するマイナーの計算能力に影響されるマイニング難易度に依拠することを踏まえ、検証されたトランザクションあたりのキロワット時およびメガバイトあたりのキロワット時を効率性の指標とした。」と調査報告書は定めています。

「現状のネットワーク上のブロックサイズとトランザクション数(スループット)および他のプロトコルの上限により、BSVはより効率的である。BSVネットワーク上のトランザクションのサイズまたは数が他のプロトコルの上限を超える限り、BSVがこの中で最も効率的である。」

BSVブロックチェーンのスケーラビリティが、BTCやBCHと比較して大幅に改善されたエネルギー効率を提供する方法を探る前に、エネルギー効率とビットコインマイニングに関して行われた先行研究を検討することが重要です。

 

ビットコインのエネルギー問題

エネルギー効率モデルの作成、およびこれら3つのビットコインベースのプロトコル比較の準備にあたり、MNPはこの分野で行われた先行研究に注目することから始めました。多くの研究がビットコインコア(BTC)ネットワークでのビットコインマイニングの問題を取り上げ、ブロックチェーンの限られたトランザクションスループットを考慮すると、BTCは特に非効率的で膨大な電力を消費することを明らかにしてきました。

MNPの調査報告書で引用された研究の1つに、2018年にAlex de Vries氏によって発表された「Bitcoin’s Growing Energy Problem」(ビットコインの拡大するエネルギー問題)と題した論文があります。De Vries氏は、BTCネットワーク上で稼働するマイナーが先進国の電力消費量に比するるほどの電力を消費していると強調しています。同氏はまた、エネルギー消費量が増加しているにもかかわらず、BTCネットワークのトランザクションスループットが不釣り合いに低く静的であることにもいち早く注目しています。

「BTCネットワークは、現在少なくとも2.55ギガワット、将来的には7.67ギガワットを消費すると推定されており、これはアイルランド(3.1ギガワット)やオーストリア(8.2ギガワット)などの国々に匹敵するものである。経済モデルによると、ビットコインの消費電力は7.67ギガワットに近づいていくであろう。」とde Vries氏は述べています。

「2018年3月中旬時点で、ビットコインネットワークによって毎秒約26クインティリオンハッシュ操作が間断なく実行されている。同時に、ビットコインネットワークの1秒あたりのトランザクション処理数はわずか2〜3件(1日あたり約20万件)である。つまり、ハッシュ計算に対するトランザクション処理数の比率は、せいぜい8.7クインティリオン対1ということになる。これらの各計算の主な燃料となるのは、電力である。」

特にプルーフ・オブ・ワーク・ブロック検証によって行われるトランザクションの処理に関し、MNPの調査ではBTCネットワークのエネルギー効率の悪さについて同様の証拠が見つかっています。 しかしながら、BTCとBSVブロックチェーンの比較では、BSVは理論上1つのブロックに無制限にトランザクションを収めることができるため、ネットワークのトランザクションスループットが向上するにつれ、エネルギー効率が向上するということを調査報告書は付け加えています。

「調査結果は、BTCが他の2つの調査対象プロトコルに比べ、桁違いの電力量を消費したことを示している。当社のモデルによる計算結果では、最も消費量が多いプロトコル(BTC)と最も消費量が少ないプロトコル(BSV)の推定消費量の差は、2021年第1四半期で最大(16,041.24 GWh)、2020年第2四半期で最小(11,343.25GWh)となった。」とMNPは言及しています。

「当社の推計では、BTCは四半期当たりBSVの60~250倍の電力を消費している。」

 

ソリューションとしてのBSVのスケーラビリティ

BSVブロックチェーンでは、ブロックチェーンによるトランザクション処理とデータ量あたりそれぞれで消費される電力量に関し、トランザクション毎およびメガバイト毎の両方でより大きなエネルギー効率が実証されています。

「トランザクションは、スループットの究極の測定指標である。ブロック内のトランザクション数とサイズは、そのブロックのサイズに影響する。BTCでは、4MBほどのブロックサイズに厳密に制限されている。BCHはより許容力のある32MBが上限となっている。BSVでは、ブロックサイズは無制限である。」とMNPの調査報告書は記しています。

マイニングにはエネルギー消費が必須であり、ブロックはマイニングの産物であるため、ブロック内のトランザクションが増えれば増えるほど、トランザクション当たりのエネルギー消費量は小さくなる。同様に、ブロックが(メガバイトにおいて)大きくなるほど、メガバイト当たりのエネルギー消費量は小さくなる。」

BSVブロックチェーンには人為的なブロックサイズ上限がないため、プルーフ・オブ・ワークのメリットであるマイナーハッシュパワーとネットワークコンセンサスによる検証済みブロックを維持しながら、無制限にスケーリング可能でトランザクションスループットを継続的に向上させることができます。ブロックサイズに上限がないだけで、エネルギー効率とブロックチェーンが結果的に環境に与える影響に大きく作用するのです。

BSVと他の2つのブロックチェーンプロトコルのエネルギー消費量の違いは、「スループットの最終測定値」、トランザクション、およびネットワーク上で1メガバイトのデータを処理するためのエネルギーコストと併せて見ると、極めて明らかです。

まず、ブロックあたりの平均トランザクション数及びブロック当たりのデータ量を比較すると、BSVがBCHやBTCよりも優れたスケーラビリティを提供し、それ故、処理効率が高いことが一目瞭然です。処理効率の優越は、各プロトコルのトランザクションの上限値とブロックあたりのメガバイト数を考慮することでさらに実証されます。

以下のグラフは、MNPの調査報告書に基づいたBSV、BTC、BCHのブロックあたりの平均トランザクション数とブロックあたりのメガバイト数を表しています。尚、これらのグラフにはピーク時の数値は反映されておらず、実際にはBSVがさらに大きな乖離を示すことになります。

Megabytes per blockof graph of BSV, BCH, BTC.
Average transaction per block of BTC, BCH, and BSV graph
 

各ブロックチェーンプロトコルのスケーラビリティの違いは明らかですが、BSVの無制限のスケーリング能力は果たして効率化につながり、ビットコインの「エネルギー問題」を解決できるのでしょうか?トランザクション毎に消費されたキロワット時(kWh)と処理されたデータのメガバイト(MB)という単位で見れば、「できる」が答えです。

2020年第2四半期から2021年第2四半期の間の推計に基づき、MNPはBSVネットワークが単一のトランザクションまたはメガバイトのデータを処理するために必要なエネルギー量は、BCHよりもはるかに少なく、BTCよりも桁違いに小さいことを発見しました。

「BTCでは、トランザクション当たりの消費量が時間の経過とともに着実に増加し続けている。2020年第2四半期の推計では430 kWh/トランザクションに始まり、2021年第2四半期には706 kWh/txに上っている。メガバイトあたりの推定消費量も同じパターンを辿っており、2020年第2四半期の約757 MWh/MBから991MWh/MBの間で推移している。」と調査報告書は記しています。

「トランザクションあたりの推定消費量は、BCHでは2020年第3四半期に183 kWh/txでピークに達し、2021年第1四半期には6.5 kWh/txまで低下している。メガバイトあたりの推定消費量も同様で、2020年第3四半期に最大194 MWh/MB、2021年第1四半期に最小20.5MWh/MBである。」

しかしながら、BSVではトランザクションとメガバイト両方のスループットの推定消費量は比較的一貫しており、かなり低く抑えられています。

「BSVの場合、トランザクションあたりの消費量は、2020年第3四半期の3.3 kWh/txから第2四半期の2.4 kWh/txの間で推移している。2021年第2四半期のメガバイトあたりの消費量は12.63 MWh/MBおよび0.9 MWh/MBである。」

これらのエネルギー効率の大きな違い、およびビットコインのエネルギー問題を解決するBSVの無制限のスケーリング の能力は、以下のグラフに示されています。

 

graph of BCH, BTC, and BSV estimated usage per transaction q2 2020
graph of BCH, BTC, and BSV estimated usage per megabyte q2 2020
ブロックチェーン技術とエネルギー消費に関するMNP調査報告書全文は、こちらをクリックしてご覧ください。