ツバル国家デジタル台帳:世界初のブロックチェーン国家の実現を後押し

By Jamie McKane Published: 5月 4, 2021
Tuvalu National Digital Ledger - Empowering the world’s first blockchain citizens

南太平洋の小さな島国であるツバル、市民がパブリックブロックチェーン上で本人確認、市民権、金融データが確証される世界初のブロックチェーン国家となり得ます。2020年12月、ツバル政府はガバナンスと財務システムをBSVの公開元帳に統合し、世界初のペーパーレス社会となる大規模なデジタル移行プロジェクトに着手することを発表しました。

このプロジェクトでツバルは、先進ブロックチェーン技術企業であるnChain、ビットコインコンサルタントであるElas Digital、コミュニティテクノロジーコンサルタントであるFaiāと協働しています。各団体が協力し、パブリックBSVブロックチェーン上に「ツバル国家デジタル台帳」を構築しています。この台帳は、無制限のスケーラビリティ、安価な取引手数料、確固たるプロトコルにより、信頼性が高く効率的な基盤を提供しています。

人口約11,000人のツバルでは、電子銀行取引のインフラが限られており、海面上昇の脅威にもさらされています。オンラインビデオストリーミングプラットフォームの成長に起因し世界的な需要が急増している、「.tv」トップレベルドメインの所有権がこの国最大の資産の1つとなっています。

Faiāのマネージングディレクター兼創設者であるジョージ・シオシ・サミュエルズ氏は、この資産を活用することで国家のデジタル化を促進し、気候変動の悪影響を軽減するために島嶼国家としての力を格上げすることに着目しました。サミュエルズ氏がデジタルインフラの総合的あり方を見直す傍らツバルを気候変動から救うための 5段階の計画を発表した後、政府がこのビジョンを実現するため同氏にコンタクトを取り、Faiā、nChain、Elas Digitalと連携を始めました。

この計画は「.tv」ドメインへの入札を行うことから始まり、その収益の一部を「ツバル国家デジタル台帳」の作成を促進するためのデジタルインフラの構築に充てます。その並外れた安定性とスケーラビリティにより、BSVがデジタル台帳プロジェクトに選定されました。BSVのテクノロジーは、トランザクションの処理コストと能力を大幅に改善したブロックサイズの上限撤廃により安価で効率的な取引を可能にし、ビットコイン誕生時の理念を踏襲しています。

国家台帳の実装が進むにつれ、Faiāの創設者であるジョージ・シオシ・サミュエルズ氏、Elas Digitalの創設者であるブレンダン・リー氏、nChainのビジネスサービスディレクターであるSimit Naik氏が、技術の適用の在り方およびツバルの人々に対し持つ意味について、さらなる見解を述べています。


誤解の解消

George Siosi Samuels
ジョージ・シオシ・サミュエルズ – Faiāマネージングディレクター

Faiāのマネージングディレクターであるジョージ・シオシ・サミュエルズ氏は、ツバルの人々の間で新しいデジタル市民行政が普及すると確信しています。同氏はツバル国民のテクノロジーのリテラシーに関する多くの認識が誤っていると話し、多くのツバル人がすでに国内での電子銀行取引システムの不在に対処する革新的な方策を見つけ出していることについて説明しています。

「『小さな島国が立ち遅れている』と思われることは理解できるものの、その誤解を解くことが、私たちがまず取り組みたいことの1つです。」とサミュエルズ氏は言います。

「しかし、ツバルのインターネットはZoom通話を行うのに十分な速度であり、ほとんどの住民はすでに携帯電話を持っています。そして、国内でほとんどの島民がオンラインでの電子商取引サービスの多くでクレジットカードを使えないなかで、別のやり方を見つけている人もいます。」

「『ツバルの人々』は、世界の状況に比べた自国のインターネットインフラについてよく理解しているのです。ツバルはすでにすべてにおいてステップアップしている最中であり、物事をオンラインに移行するのに十分なインターネット環境があります。

Faiāは、文化、コミュニティ、テクノロジーの3つを基本の柱としています。サミュエルズ氏はこれらすべてを活用し、ツバルの人々が独自のデジタル台帳を構築するプロセスに確実に参加できるように努めています。

サミュエルズ氏はテクノロジー分野における文化およびコミュニティのエキスパートであり、2013年からビットコインに携わり続けコミュニティ主導のイニシアチブとプロジェクトで多くの経験を積み重ねてきました。Faiāは、彼の専門知識を利用してツバルの文化的敏捷性をサポートし、国家デジタル台帳の展開における透明性を実現させ、プロセスのあらゆる段階でコミュニティと確実に関わるようにしています。

「私は多くの技術導入や企業に,文化および変革管理の観点からに携わってきました。特定の文化やグループの人々が特定のタイプの変化に対して準備が必要になります。」と彼は言います。

「準備ができていなければ、その人達に対して移行に向けた行動を示せることが必要であり、主要な利害関係者全員からの賛同を得なければなりません。」

ツバルの国民的アイデンティティは、国家デジタル台帳プロジェクトを含むICT移行計画の一環として大幅に変化しており、海外に住むツバル人が故郷に戻る動機となり得る大きな可能性を秘めています。

サミュエルズ氏は次のように語っています。「ツバルは、沈みゆく国から革新的な国へと変わりたいと考えています。ツバルからは、非常に賢いたくさんの人が海外留学や海外移住しています。

優秀な人材を祖国に取り戻すこともこのプロジェクトの目的の一環なのです。」

サミュエルズ氏は、ツバルがもともと持つ文化的敏捷性と協力的なコミュニティのおかげで、「ツバル国家デジタル台帳」のイニシアチブの行く末に大いに自信を持っています。さらに、このプラットフォームの基盤はブロックチェーン上に構築されますが、その技術上に構築しているユーザーや多くの開発者は、ビットコインSVのプロトコルを直接操作する必要がないことも付け加えています。

「もしビットコインを単なるパイプのつなぎ合わせのように捉えるなら、それはインターネット自体と何ら変わることはなく、ただ優れたアプリケーションを作ることに集中すればいいだけの話です。」とサミュエルズ氏は説明します。

段階的に展開する長期プロジェクトであることから、サミュエルズ氏は基盤となる「つなぎ合わせ方」の微調整を続けることで、「ツバル国家デジタル台帳」の開発が滞りなく進められると確信しています。

プロジェクトの第2フェーズも間もなく開始される予定であり、より広範に渡りツバル市民の関与を深め、プロジェクトの展開に関する定期的なアップデートの公開が行われる予定です。

「第2フェーズに実に期待しています。オンライン、オフラインの両方での市民の参加を検討しており、より頻繁にアップデートについて公開する予定です。」とサミュエルズ氏は言います。

「第1フェーズを終え、今後社会全般とどのように連携していくべきかより明確になりました。本プロジェクトの社会面に着目すべきに至ったのです。」


ツバル国家デジタル台帳サービス

ツバル国家デジタル台帳」の基盤となるのは、比類のないトランザクションスループット、安定性、超安価なトランザクション手数料を備えたパブリックBSVブロックチェーンです。この最先端のネットワーク上で、ツバルはMetanetプロトコルを使用して暗号化され承認された一連の台帳を運用します。これにより、ビットコイン上に構築されたバリューベースインターネットプラットフォームが実現するのです。Metanetは、オンチェーンデータ構造を実現できるよう組み上げられたトランザクションを作成するためのプロトコルです。これらのデータ構造は、ツバル市民に関する情報を確実に秘匿および暗号化しつつ、公開台帳の基礎となる不変性と信頼性によって保護されます。

Elas Digital founder Brendan Lee
ブレンダン・リー – Elas Digital創設者

「『ツバル国家デジタル台帳』は当初、単一の統合されたMetanetデータ構造内で保存され管理される台帳として、ツバル政府が個別の目的で使用する補助台帳で構成される一連の管理台帳からなるものとして構想されました。」とElas Digitalの創設者、ブレンダン・リー氏は言います。

「ツバル政府がより広い視野によるこの提案のもつ意味をすぐに理解し、Metanetを市民管理のシステムとして使用する最初の政府として大きな一歩を踏み出してくれたことは非常に幸運でした。」

そしてさらに、「最先端の暗号化技術を戦略的に採用することで、個人情報の秘匿性を保つことができる一方で、個人情報にアクセスする人には、その情報の出所を確認するための非常にパブリックでオープンな手段を提供することができます。」と付け加えています。

Elas Digital、nChain、Faiāは、台帳自体は作成していません。これら企業は、ツバルの人々に独自の国家デジタル台帳を構築しデータを入力するためのツールを提供するサービスプロバイダーとして機能しています。こうして、ツバルの人々が自身の情報に対しての完全な権限と管理権を所有することが可能になるのです。

「『ツバル国家デジタル台帳』の実際の中身は、ツバル人によって作成および所有され、100%管理されます。私たちのツールで求められているニーズを満たせるよう、協働していきます。」とリー氏は言います。

また、ツバルのデジタル移行プロセスの一環として、市民行政の管理ポータルを皮切りに国家デジタル台帳に加えアプリケーションも開発されます。

「開発している最初のアプリケーションは、ツバルの市民行政処理システムを管理するためのポータルです。最初のステップとして実に素晴らしいものであり、ツバルの人々が行政サービスに最初から依存する必要があるものを作ることなく、困難で広範な行政問題を解決することができるのです。」とリー氏は言います。

「徐々に、漁業許可、土地譲渡、出生/死亡/婚姻などほぼすべての紙ベースの行政サービスを同様のブロックチェーンに置き換えることを目指しており、いずれの場合もビットコインの効率性、スピード、低コストと同じ成果を実現することを目指しています。」

これは、プロジェクトグループがツバルの人々と時間をかけて協議して行っていくこととなりますが、最終的には台帳は政府、金融、小売サービスすべての側面をカバーすることになります。


ツバルにデジタルキャッシュを提供

nChain director of business services Simit Naik
Simit Naik – nChainビジネスサービスディレクター

現在ツバルは独自の通貨を持っておらず、オーストラリアドル(AUD)が流通しています。従って、プロジェクトグループは国家デジタル台帳上でこの通貨のトークン版を運用するためのツールを提供します。「ツバルはオーストラリアドルを主要通貨として使用しているため、私たちはデジタルキャッシュとして使用するトークン化されたオーストラリアドルの構築に取り組んでいきます。BSVは、ツバルのトークン化された通貨を支える台帳になるでしょう。」と、nChainのビジネスサービスディレクターであるSimit Naik氏は説明します。

「変革は常に困難を伴い、新しいテクノロジーは複雑で手に負えないと思われ得ることは理解しています。私たちの戦略は潜在的な変革の影響を最小限に抑えることであり、オーストラリアドルの使用の維持はツバルの将来についての私たちの考え方の中核です。」

依然、現金はツバルの経済において重要な役割を果たしています。nChainは現金の持つすべてのメリットを保ちつつ、デジタル機能によって強化されたソリューションの提供に焦点を当てています。

Naik氏は、彼らの戦略は既存の現金システムを維持しながら、より優れたアクセス性、デジタル決済、マイクロペイメントのメリットを加えるものであると述べています。また、流通や監視など、現金における課題の一部にも対処します。

これは、市民行政ポータルの開発とともに、「ツバル国家デジタル台帳」実装の最初のフェーズの一部となります。

「最初のフェーズでは、市民行政プロセスとデジタルキャッシュの2つの主要分野に取り組みます。市民行政プロセスの第一段階では、「ツバル国家デジタル台帳」の基礎を構築し、先の段階では、これらの成果を基に国民デジタル身分証明の枠組みなどに拡張していきます。」とNaik氏は言います。

「デジタルキャッシュシステムは、現金の入手性の改善、デジタル決済とマイクロペイメントの普及などツバルでの最大の課題となっている現金の問題に対処するように設計されます。政府の観点から、私たちは現金の分配、9つの島嶼全体に現金を流通させ、その循環を把握できるさまざまな手段を提供します。

FaiāやElas Digital同様、nChainはブロックチェーンベースのプロジェクトや「ツバル国家デジタル台帳」計画に影響を与える社会的および文化的要因について世界を教育する必要性を強く認識しています。

「パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーン、そしてブロックチェーン自体の役割に関する誤解が、ブロックチェーンを検討する際に私たちが直面する最大の課題です。」とNaik氏は説明します。

「教育とアウトリーチを通じてこれらの課題に対応し、この分野の思想的リーダーとしての役割を確実に果たすことが私たちの使命です。私たちはこうした多くの問題がツバル国外で発生するであろうことを予期しており、クライアントの課題や要因に適したソリューションを提供するためにテクノロジーの選択がいかに大切であるかを、他国や関係者に十分に理解してもらうこと注力する必要があります。」

Naik氏は、「ツバル国家デジタル台帳」の展開は、国民がデジタル移行プロジェクトを完全に理解し支援する機会を確実に与えられるように管理され、注意深く実行されていくと述べています。

「あらゆるデジタル移行プログラム、特に革新的な取り組みと見なされるプログラムでは、新しいテクノロジーの展開を達成するための文化的および社会的要因を考慮に入れる必要があります。

ツバルのケースでは、短期間にかなり多くの変革を推し進めることを念頭に置いているため、その過程でツバルを確実にサポートできるよう段階的に変革していくことに重点を置いています。」

ツバル国家デジタル台帳は、ブロックチェーンおよび暗号通貨の世界でもユニークなものです。これは、政府がBSV公開台帳の基礎技術を活用する取り組みであるため、進捗状況が慎重に査定され、実装の全てにおいて協議が継続されます。

悪意のある暗号通貨の『投資スキーム』、高騰し過ぎたイニシャルコインオファリング(ICO)、手っ取り早くリターンを得ようとするボラティリティの高いデジタルトークンの投機的な購入によって揺るがされる環境下において、BSVは安定性の源として、さらに企業や政府から趣味としての開発者まですべての人がアプリケーションを構築できる最良のブロックチェーンとしての地位を確立しました。

ツバル政府はデジタル移行計画について幅広く協議を続けており、国のニーズを満たすための最良の選択肢としてBSVに絶対の信頼をおいています。

「ツバル国家デジタル台帳」プロジェクトのさらなる詳細は、今年中に発表される予定です。また、市民からのフィードバックを募り、この取り組みに関する最新情報を提供するための専用ポータルも開設される予定です。